

こんにちは!ライターのりこです。
「急がば回れ」
「危険がある近道よりも、遠回りでも安全な道を選んだ方が、早く目的地に着く」という意味の有名なことわざです。
これは、単に道順の話だけではありません。
たとえば、難易度が高いが成功すれば短時間で終わる方法よりも、時間はかかっても安定した方法を選ぶ方が、結局は早く物事を達成できることがありますよね。
現代においても、仕事や勉強、人間関係など、あらゆる場面で通じるこの教え。
実はこのことわざのルーツが、滋賀県草津市にあるという説を知っていましたか?
今回は、そんな「急がば回れ」の由来に迫っていきたいと思います。
語源は和歌に由来していた!
ズバリ、「急がば回れ」は琵琶湖にまつわる和歌が元となったことわざだそうです!
その和歌とは、
「もののふの 矢橋(やばせ)の船は速けれど 急がば回れ 瀬田の長橋」
和歌の作者については諸説ありますが、平安後期の歌人である源俊頼が詠んだという説や、江戸時代の連歌師である宗長が詠んだという説があります。
「もののふ」とは、武士のこと。
「矢橋の船」とは、東海道の草津宿から大津を結んだ琵琶湖上の船のこと。
「瀬田の長橋」とは、日本三名橋の1つに数えられる現在の滋賀県大津市の瀬田川に架かる瀬田の唐橋のことで、歌川広重の浮世絵、近江八景の「瀬田の夕照」にも描かれています。
つまり、武士が琵琶湖を越えて京都へ向かう道中を詠んだ歌なのです。
当時、矢橋から琵琶湖を横断する船を利用する方が、「瀬田の長橋」経由の陸路よりも距離が短く、移動時間も短く済みました。しかし、船で湖を移動するこのルートは、「比良(ひら)おろし」という、比叡山から吹き下ろされる突風の影響で大変危険でした。
そのため、「遠回りでも瀬田の長橋を通った方が安全だ」という意味で、この歌が詠まれたそうです。
これが 「急がば回れ」ということわざのルーツなのです!
現代の琵琶湖でも急がば回れ?
「急がば回れ」は現代の琵琶湖でも通用するのでしょうか?
現在、琵琶湖を東西に移動する手段は、車・電車・観光船などさまざまです。
中でも、琵琶湖に架かる2本の大きな橋である琵琶湖大橋や近江大橋を利用するルートは、最短距離で湖を横断できるため、平常時は明らかに橋を渡る方が早いそうです。
地元の人々にとっても、最短ルートとして橋を渡ることが当たり前になっており、急いでいても「回る」という選択肢はほとんどありません。
しかし、観光シーズンや休日には大渋滞が発生することもしばしばあります。
このような場合、遠回りの内陸ルートを選ぶ方が結果的に早く目的地に着くこともあるそうです。
意外と便利な「遠回り」ルート |
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ここで、観光シーズンや休日の橋の渋滞を避けるための遠回りルートをご紹介します!
まずは、名神高速道路を利用する方法。例えば、大津ICや栗東ICを経由して内陸を迂回するルートは、安定した速度で進めるため、結果的に早く目的地に到着できることがあります。
次に、湖西道路を利用して琵琶湖の西側を進む方法。渋滞を避けつつ琵琶湖の景色を楽しめるため、観光客にとっても魅力的なルートです。
これらの遠回りルートを使えば、渋滞を避けてスムーズに移動できるだけでなく、普段は見ることができない素敵な風景に出会えるかもしれません。
それもまた旅の醍醐味ですよね。
おわりに
いかがでしたか?
「急がば回れ」は、単なる歴史的な教えではなく、身近な場面で活かせる知恵です。
琵琶湖を訪れる機会があれば、ぜひ「急がば回れ」の教えを思い出してみてください。
現代の琵琶湖でも、このことわざが生きていることを実感できるかもしれません!
参考
CBCラジオ|「急がば回れ」のルーツは滋賀県草津市にあった?
https://radichubu.jp/kibun/contents/id=30653
滋賀ガイド!|急がば回れ 瀬田の唐橋
https://www.gaido.jp/clickalbum/88558.html
東進ゼミナールことわざ|「急がば回れ」の由来や場所
https://toshin-seminar.co.jp/column/8182/
トラベルjp|見ろ!琵琶湖が海のようだ!「国道161号線バイパス」は絶景ドライブルート
https://www.travel.co.jp/guide/article/18970/