【著者が語る】人・場・組織を回す力

grament
楠本 和矢 代表

【PROFILE】大阪府立茨木高校、神戸大学を経て、丸紅に入社。新規事業開発を担当。その後、英国系ブランドコンサルティング会社を経て、国内系コンサルティング企業に参画。同社の執行役員/ HR専門組織の代表を兼任。組織管掌に加えて、プロジェクトの最前線にて企画・運営のリード、ファシリテートを継続的に行う。特に注力しているテーマは、企業の「自律的変革」。マーケティング領域とHR領域の双方で培った経験と知見をベースに、「行動心理の洞察」「知恵の顕在化」「成功の型化」をキーワードとして、多岐にわたるプロジェクトを担当。各回、クライアントからの高い評価と支持を頂き、リピート率は屈指の数値を誇る。その後、より洗練されたコンサルティングの実現を目指し、grament/楠本和矢事務所を設立。「自律的変革」というテーマを、幅広くかつ深く追求し、独自のPMO型コンサルティングを展開している。加えて、講演・企業内研修、関連テーマの執筆・コメンテート、幼児向け教育事業の支援等を行う。

現代のビジネス環境では、従来の「プッシュ型」マネジメントが限界を迎えています。社会の急速な変化や人材の流動性の高まりにより、リーダーの知識や経験だけでは組織を効果的に導くことが困難になっているのです。

そこで私は、「プル型」のマネジメントの重要性を感じました。これは、各メンバーのエンゲージメントとモチベーションを高め、新しいアイデアを引き出すアプローチです。本書では、このようなリーダーシップを実現するためのスキル、「回す力」を解説しています。

① 「回す力」という、新しいリーダーシップ
「 縁の下の力持ち」的なアプローチは、多様性が重視される現代の組織運営に不可欠です。これは、組織全体の活性化につながるリーダーシップの基盤となります。

自分だけが前に出るのでもなく、かといって消極的になるのでもありません。人の個性を尊重し、知恵や発想を引き出していく手法を十分に理解し、組織に浸透させていただきたいと考えています。

②組織における「楽しさ」の重要性
「 心理的安全性の確保」を超えた、積極的なコミュニケーション技法を紹介しています。「ポジティブな言葉の発信」「+αの反応」を通じた職場における「楽しさ」の創出は、長期的な組織のパフォーマンスに直結します。

「楽しさ」は、これまでのマネジメント論にはなかった新しい視点です。この観点を人事戦略に取り入れることで、より活気ある職場づくりを目指していただければと思います。

③実践的なスキル開発
20種類の具体的な技法を紹介しています。これらは段階的に習得可能で、人材育成の実践的なツールとして活用いただけます。

読者の皆様には、本書を通じて新たな人材育成の視点を得ていただきたいと思います。「回す力」を持つリーダーの育成が、企業の持続的成長にいかに重要であるかを認識していただければ幸いです。この「回す力」を組織に浸透させることで、従業員のエンゲージメント向上、イノベーションの促進、そして企業価値の向上につながると確信しています。皆様の組織に「回す力」が根付き、活気あふれる職場が実現することを心より願っています。

【著者が語る】人・場・組織を回す力
楠本和矢 著
クロスメディア・パブリッシング
1,580円+税

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