シマブンコーポレーション、船舶解体業などの新鋼商事を買収

株式会社シマブンコーポレーション(兵庫県神戸市)は、新鋼商事有限会社(熊本県八代市)の全株式を取得した。

シマブンコーポレーションは、鉄リサイクル事業、鋼材事業、生産事業、エンジニアリング事業等を行っている。

新鋼商事は、船舶解体、鉄及び非鉄金属にリサイクル、船体のパーツ類、中古船のリユースを行っている。

背景・目的

日本鉄鋼連盟は、我が国の「2050年カーボンニュートラル実現」の方針に合わせて、短期的な目標として、2030年度にはエネルギー起源CO2排出量を2013年度比30%削減の目標を掲げている。

2050年に向けては、水素還元高炉やCCS/CCUS等の活用をめざし、各社で複線的な開発が行われているものの、短期の2030年には新プロセスの開発・実装は間に合わないと考えられている。

そのような中、高炉メーカー各社も鉄スクラップの積極活用や高炉の電炉化を計画しており、国内の鉄スクラップ需要が増加に転じる可能性があることに加え、特に上級スクラップの需給がひっ迫することが想定されている。

船舶には、出所がはっきりした高品質な鋼材が大量に使用されているため、その船舶を解体することで、多くの良質な鉄スクラップ(上級スクラップ)を確保することができる。

シマブンコーポレーションは、2012年に宮地サルベージ(香川県多度津)を子会社化したことで、既に船舶解体事業(解撤)に進出しているが、本件M&Aにより、船舶解体の事業拡大を図り、上級スクラップの国内循環を促進し、国内鉄鋼業界のカーボンニュートラル実現に大きく貢献していく。
(提供:日本M&Aセンター

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