菓子受託製造（OEM）市場に関する調査を実施（2024年）

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2023年度の菓子OEM市場規模は前年度比12.0%増の2,685億円に拡大

～菓子業界のオリジナル強化で拡大する菓子OEM市場～

株式会社矢野経済研究所（代表取締役社長：水越孝）は、国内の菓子受託製造（OEM）市場について調査を実施した。ここでは2019～2023年度の市場規模、現状とその拡大背景の分析結果を公表する。

菓子受託製造（OEM）市場規模推移

(画像=矢野経済研究所)

調査結果概要

2023年度の国内の菓子受託製造（以下、菓子OEM）市場規模は、前年度比12.0%増の2,685億円と拡大した。本調査の市場定義にあるように、菓子OEM市場の主要な領域である観光土産菓子がコロナ禍で縮小し、2021年度以降はその需要が回復していることもあるが、その影響を除いても菓子OEM市場はここ数年拡大基調にある。背景には、消費者のニーズや嗜好の多様化、小売業や卸売業におけるオリジナル商品の強化、小規模事業者の市場参入、異業種による食品市場参入などがある。

特に、最近は生活雑貨専門店が菓子を含む食品の品揃えを強化しており、専門店ブランドの売場における統一した世界観を作り出すため、全商品をオリジナルのパッケージデザインで揃える傾向にあることが菓子OEMの市場拡大に寄与している。また、カフェチェーンなどの外食産業がレジ周りの焼菓子の品揃えを強化するなど、菓子OEMを活用した異業種参入の増加が市場拡大に繋がっている。

菓子OEM市場では、OEMを専業とするメーカーもあるが、OEMを活用した開発案件が増加する中で、自社ブランドを有する中堅・中小メーカーにおいても、OEMに取り組む企業は珍しくなく、ひとつの収益の柱になっているケースもある。開発案件が増加傾向にあることは市場の好材料であるものの、OEMは価格決定権がブランドオーナー側にあることが多く、ギフト菓子以外は価格が安いため、製造コスト上昇をいかに価格に反映させるかや、ブランドオーナーから提示された販売価格内での商品展開となるなど開発自由度が狭くなりやすい中でいかにオリジナリティ（独自性）を持たせるかが重要となっている。

＜調査要綱＞
1.調査期間： 2024年5月～8月
2.調査対象： 菓子製造業、菓子企画会社、卸売業、商社等
3.調査方法： 当社専門研究員による直接面談（オンライン含む）、アンケート調査、ならびに文献調査併用

＜市場の定義＞
OEM(Original Equipment Manufacturing)とは、依頼主の名義やブランド名の商品製造をメーカーが受託製造することである。本調査では、ODM(Original Design Manufacturing：製品の製造だけではなく、依頼主のブランドで展開する製品に開発段階から携わり、使用する原材料の選定やレシピ開発等も含めて請け負うこと）も含めた市場としている。
本調査における菓子受託製造（OEM）市場とは、流通側PB（プライベートブランド）、観光土産菓子、ギフト菓子といった広域流通を前提とした菓子の受託製造を対象としており、一部小売業向けの留め型（限定フレーバー等）商品や、チルド（冷蔵）のコンビニスイーツは対象外とする。市場規模はブランドオーナーへの出荷金額ベースで算出している。

＜出典資料＞
2024年版 菓子産業年鑑 ～流通菓子からOEM・PBなどの商品開発・製造までの市場実態～
https://www.yano.co.jp/market_reports/C66107200

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