サントリー食品インターナショナルは7月18日、子どもの身長の高さで計測した気温が、大人と比較して+7℃の災害級の暑さになっていることを広く知らせるイベントを東京・八王子市で開催した。
これは、同社が「GREEN DA・KA・RA」ブランドの熱中症対策啓発活動の一環で、子ども特有の暑熱環境を称した「こども気温」に着目した熱中症対策イベント。八王子駅そばの“えきまえテラス”で7月20日まで実施している。
取材会が行われた7月18日は、気象庁が関東甲信地方と東海地方の梅雨明けを発表した日と重なり、八王子市の大人の気温は31.5℃、こども気温は+7℃の38.5℃と紹介された。
会場では「+7℃」を疑似体験するため、暑熱環境下で冬用コートを着用できるコーナーが設けられた。また、緑色の消防車の車体に、八王子市の気温と「こども気温」を同時に表示し、「こども気温」への気づきと、夏場の水分補給を促している。さらに、熱中症リスクの高いエリアを一覧化した“こどもの気温のきけんマップ”と、「GREEN DA・KA・RA」と「同 やさしい麦茶」の無料配布を行っている。
八王子市の初宿和夫市長は、「市内の小学校は、この週末から夏休みというところが多くなる。夏休みが始まるので、八王子市としても、このタイミングで熱中症対策をしっかりお伝えしたい」と話した。また、八王子市には“はちおうじまちなか避暑地”と称する空調のきいた民間・公共施設(クーリングシェルター)が130カ所あることも紹介した。
サントリー食品インターナショナルは、2023年に気象専門会社のウェザーマップ社と子どもの熱中症リスクに関する共同検証実験を行った。その結果、地面の照り返しの影響差などにより、背の低い子どもの胸の高さで計測した気温が、大人の胸の高さの気温と比較して+7℃程度になることを発見したという。
サントリー食品ブランドマーケティング本部の阿部泰丈部長は、「今年は、環境省が熱中症特別警戒アラートを4月から新たに運用開始するなど、社会全体として熱中症の警報や対策をより一層強化していく状況にある。そのような中、“GREEN DA・KA・RA”ブランドとしても啓発活動にしっかり取り組んでいく」と話した。なお、「GREEN DA・KA・RA」の販売は好調で、500mlPET商品の4〜6月販売実績は前年比2割増になったとしている。
ウェザーマップに所属する気象予報士の多胡安那さんは次のように語る。「今夏も平年より高い気温が続き、熱中症リスクが高まることが予想されている中、大人以上に暑い思いをしている子どもは常に“災害”と隣合わせということになる。こまめな休憩や水分・塩分補給などの対策をすることが大切になる」。
大人以上に子どもたちが熱中症の危険にさらされていることを啓発する今回の取り組み。「こども気温」の名称が浸透するかが認知拡大のカギになりそうだ。