【IT分野の中途採用】事業・サービス、市場を理解し、開発依頼や調整もできる人材が求められる

アイムファクトリー

久利 可奈恵 代表取締役

【PROFILE】1974年北海道生まれ、大手モバイルコンテンツ企業にて、ITエンジニア専門事業の立ち上げに従事。2008年にアイムファクトリーを設立。IT×人材サービスにおいて20年以上の業界経験を持ち、ヒトと企業と社会にとってのあるべきサービスという視点でビジョン・事業計画・成長戦略を策定。2022年より日本人材紹介事業協会の理事も務める。

IT分野は依然として求人倍率も高く「売り手市場」が続いています。エンジニアを中心にIT人材を求める企業は、事業会社をはじめ、Sler、ソフトウエア、Webサービスなど業界問わず、即戦力人材の採用難易度は年々高くなっています。また、求職者の転職意向度も依然として高く、特に事業会社の社内SE、開発エンジニアといった「自社内SE」への転職希望が多いのが特徴です。

ここ数年、コロナや円安の影響などでIT分野の転職市場にも大きな変化が生じています。コロナ以降、事業戦略の見直しや事業拡大に向けてDX推進やIT戦略への期待値も上がってきており、期待に応えられる専門性の高い人材の採用需要が高まっている反面、円安の影響で海外就労希望の増加など、即戦力人材が外資系企業へ流出するといった面も出てきています。

事業展開のスピードも年々加速し、業務で活用するITツールやシステムの多様化・複雑化も相まって、求める人材像にもITスキルや知見だけでなく、自社の事業やサービス、取り巻く業界や市場への深い理解、その上でベンダーへの開発依頼や役員、他部門との調整ができるなど、ハイスペックの人材が求められる傾向にあります。

売り手である求職者もワークライフバランスへのニーズが増加しており、リモートワークをはじめとした働き方の自由度を求める声や、ソフト/ハード両面の職場環境の充実を求める声が強くなりつつあります。また、2024年秋に行予定の「フリーランス保護新法」をはじめとして、フリーランスに関する法整備も進む中、年々、フリーランスや副業を希望するIT人材も増加傾向が続いています。

そのため、人気が集中している企業の傾向として、フルリモート、リモートと出社を合わせたハイブリット型など、IT人材の働き方や働く環境に柔軟性を持っている企業や、社員採用だけでなくフリーランスや副業案件で人材を獲得するなど、型にとらわれない採用方法で即戦力人材を求める企業が獲得に成功しています。

その他の「人材採用動向レポート」はこちら