東京商工リサーチの調査によると、2024年上半期(1~6月)の負債額1000万円以上の企業倒産件数は4931件で、前年同期と比べ約2割増加した。(文:日本人材ニュース編集部)
2024年上半期(1~6月)の全国企業倒産(負債額1000万円以上)件数は4931件(前年同期比21.9%増)となり、3年連続で前年同期を上回り、2年連続で4000件台に乗せた。
負債総額は7210億4200万円(同22.8%減)だった。
負債総額は、負債1億円以上5億円未満が989件(前年同期824件)、同5億円以上10億円未満が173件(同115件)と、中堅規模での増勢が目立つ。ただ、前年同期は純粋持株会社のユニゾホールディングス(株)(負債1261億9800万円、4月)など、同100億円以上が8件発生したが、2024年上半期は4件に半減し、2年連続で前年同期を下回った。
倒産件数を産業別にみると、「金融・保険業」を除く、9産業で前年同期を上回った。最多は「サービス業他」の1619件(前年同期比19.8%増)で、上半期としては2年連続で前年同期を上回った。上半期倒産に占める構成比は32.8%(前年同期33.4%)だった。
次いで、建築資材の高騰や人手不足が顕著となっている「建設業」が947件(前年同期比20.6%増)で、3年連続で前年同期を上回った。また、円安などによる仕入れコスト上昇が続く「卸売業」が626件(同37.5%増)で、2年連続で前年同期を上回った。
4月から時間外労働の上限が制限された「運輸業」は244件(同29.7%増)で、4年連続で前年同期を上回った。
このほか、「農・林・漁・鉱業」56件(同30.2%増)と「情報通信業」189件(同17.3%増)が3年連続、「製造業」555件(同20.9%増)と「小売業」536件(同23.5%増)、「不動産業」143件(同0.7%増)が2年連続で、それぞれ前年同期を上回った。
【2024年上半期 産業別倒産状況】
農・林・漁・鉱業 56件(前年同期比30.2%増)
建設業 947件(同20.6%増)
製造業 555件(同20.9%増)
卸売業 626件(同37.5%増)
小売業 536件(同23.5%増)
金融・保険業 16件(同33.3%減)
不動産業 143件(同0.7%増)
運輸業 244件(同29.7%増)
情報通信業 189件(同17.3%増)
サービス業他 1619件(同19.8%増)
倒産件数を地区別にみると、2年連続で9地区すべてで前年同期を上回った。2年連続で9地区すべてが前年同期を上回るのは、1991年および1992年同期以来、32年ぶり。
【2024年上半期 地区別倒産状況】
北海道 140件(前年同期比12.9%増)
東北 294件(同42.7%増)
関東 1808件(同21.4%増)
中部 553件(同3.1%増)
北陸 91件(同19.7%増)
近畿 1264件(同25.0%増)
中国 236件(同36.4%増)
四国 93件(同13.4%増)
九州 452件(同31.0%増)