矢野経済研究所
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2024年度のキャラクタービジネス市場規模は前年度比101.8%の2兆7,464億円を予測

~SNS投稿発祥のキャラクターや中高年世代向け作品も市場規模拡大に貢献すると期待~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のキャラクタービジネス市場を調査し、セグメント別の市場規模推移、キャラクター別の動向、将来展望を明らかにした。

キャラクタービジネス市場規模推移

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1.市場概況

2023年度のキャラクタービジネス市場規模(商品化権・版権)は、前年度比2.2%増の2 兆6,969 億円と推計した。YOASOBI のアニメ主題歌「アイドル」との相乗効果で人気となった「推しの子」や、キャラクター展開で実績のある「鬼滅の刃」や「進撃の巨人」などのアニメ放送による効果が市場をけん引した。また、「ポケモン」や「ONE PIECE」「スーパーマリオ」のメディアミックス展開(※)が奏功し、商品化権および版権ともに好調に推移した。SNS の投稿作品発祥のキャラクターである「ちいかわ」が幅広い世代に訴求したことも市場拡大に大きく貢献した。

※本調査では、1つのIPコンテンツをアニメやゲーム、漫画、小説など複数のメディアに展開し、世の中に波及させることを指す。

2.注目トピック

キャラクタービジネスは“モノ消費”から“コト消費”に拡大

キャラクタービジネスは商品化や販促・広告などのプロモーション起用だけでなく、カフェや展示会、スタンプラリー、謎解きゲーム、そのほか体験型イベントにも拡大している。この背景には、キャラクタービジネス業界内で、物販中心の「モノ消費」から、キャラクターの世界観を反映した店舗づくりやイベント実施といった顧客の体験に価値を置いた「コト消費」を重視する傾向にあることが挙げられる。体験を通じてキャラクターブランドの価値を高め、グッズ販売など物販も含めた収益化につなげる取り組みが高い効果を上げており、イベント開催から物販につなげるための道筋が重要となる。

3.将来展望

2024年度のキャラクタービジネス市場規模(商品化権、版権)は前年度比1.8%増の2兆7,464億円になると予測する。「ちいかわ」や「おぱんちゅうさぎ」の人気が若い世代だけではなく幅広い世代へと広がっていくことに加え、「シティハンター」や「キン肉マン」など中高年世代向け作品の商品化権および版権がともに好調になると予測する。

調査要綱

1.調査期間: 2024年4 月~6 月
2.調査対象: キャラクタービジネス関連企業(メーカー、卸などいわゆるライセンサー、ラ イセンシー、及び小売・流通業等)
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mailによるヒア リング、アンケート調査、ならびに文献調査併用
<キャラクタービジネスとは>
本調査におけるキャラクタービジネスとは、ライセンス契約によりキャラクターを商品化、広告販促使用、映画やテレビ、漫画などのメディアへ展開するビジネスを指し、商品化権と版権で構成される。
なお、本調査におけるキャラクターとはアニメーション・漫画・ゲーム・イラスト等であり、芸能人(実写)などを除く。
<市場に含まれる商品・サービス>
キャラクター商品、キャラクター版権

出典資料について

資料名2024年版 キャラクタービジネス年鑑
発刊日2024年06月26日
体裁A4 548ページ
価格(税込)165,000円 (本体価格 150,000円)

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