株式会社オーガニックスタイルジャパンの代表を務め、日本オーガニックコスメ協会インストラクターとして活躍している鈴木順子さん。自身の肌トラブルの経験を生かし、肌に悩む人の力になりたいという思いから、農園から製造まで化学成分を使用しないオーガニックコスメを開発しています。そんな鈴木さんに、現在までの経緯や商品に対するこだわりなどを、お話しいただきました。 |
自身のアレルギーをきっかけに、オーガニックコスメに出会う
私は昔からコスメやメイクをするのが大好きでした。オーガニックの会社を立ち上げたのは単純に興味があったという理由だけではありません。私自身がひどい肌トラブルを経験して、自分と同じ悩みを持つ人々の力になりたいという強い思いがあったのです。
人から「これがいいよ」と勧められたりして、さまざまなコスメを試すなかで、とても大変な目に遭いました。石油系の原料からできたコスメを使用したことでアレルギー反応を起こし、完治しないような疾患にかかってしまったのです。
大好きなコスメが原因で、こんな事態になるとは思いもよりませんでした。この経験から、自分が使用する日用品の原料や成分を見直し始めました。そして、オーガニックコスメに出会ったのです。
私はわからないことがあったら、とことん調べ尽くすタイプなので、オーガニックコスメについて、たくさん勉強しました。そして自分が使うコスメや日用品など、すべてナチュラルなものにシフトすることにしました。
オーガニックにはさまざまな定義がありますが、実際に使われる原料がオーガニック認証を受けていても、その育成環境や生産者の情報まではわからないことが多いです。
前職でもオーガニックコスメに関わる仕事をしていましたが、自分と同じ悩みを持つ人々の力になりたいという思いが強まり、5年前に自分の会社を立ち上げました。まずはローションを作ろうと決意し、原料の調達から始めました。
私たちのスキンケア製品は、信頼できる農園から取り寄せた天然成分100%の植物で作られています。原料がどこで育てられ、どんな人が関わっているのかをしっかりと把握し、安心できる製品を提供しています。
お客様からの感謝の声が励みになる
起業することに対して怖さはありませんでした。むしろ、自分の信念を貫く気持ちが強く、もし資金面で困ったらアルバイトをすれば良いと考えていました。振り返ってみると無謀だったかもしれませんが、その勇気があったからこそ今があります。
起業してよかったことのひとつは、同じ悩みを持つ方々からの感謝の声をいただけることです。何度も励まされ、涙したこともありました。自分が作りたいものを作り、それを喜んで使ってもらえることが一番の喜びです。
Organic Style Japanの一番の特徴は、化学成分を一切使わないことです。オーガニックコスメと言いつつも、実際には少し化学成分が含まれている製品も多いなか、私たちは完全に天然成分100%にこだわっています。
現在、天然成分100%の日焼け止めを開発中です。開発には時間がかかりますが、その分、使い心地にもこだわっています。しっとりとした使用感を追求するために、化学薬品を使わずに工夫を重ねています。この過程は大変ですが、とても楽しいです。
原料と製法に徹底的にこだわった「アロエのチカラ」
アロエベラを使った製品を開発するために、国内で栽培されているものを探しましたが、多くが輸入品かビニールハウスで育てられたものでした。これでは求める品質に達しないため、さらに調査を進め、宮古島にたどり着きました。
アロエベラに注目したのは、その保湿力などを含めて万能性が高いからです。宮古島で出会った『しろう農園』のアロエベラは、抗酸化力を高めるために太陽の光をたくさん浴びています。まさに理想的な環境で育てられており、私が求めていた品質を満たしていました。
現在、「アロエのチカラ」シリーズとして、化粧水と美容液を販売しています。今後は夜用クリームやシートマスクなど、シリーズを拡充していく予定です。肌トラブルに悩む方々が安心して使える製品ラインを増やし、より多くの方のスキンケアをサポートしていきたいと考えています。