「一塗専心」に取り組む外装工事のプロフェッショナル企業 ICTを活用して新たな成長デザインを描く エイダイ(香川県)

目次

  1. きめ細やかな説明、品質の高い施工、リーズナブルな価格を大切に
  2. 知識、技術、経験を基盤に妥協することのない徹底した作業を心掛ける
  3. 高度で専門的な工事に携わることができるよう常に研鑽を続け、事業は着実に成長
  4. 地域の生活を支える公共構造物のメンテナンス事業に注力 成長のために必要な体制づくりにデジタル技術は欠かせない
  5. デジタル化に積極的に取り組む姿勢を取引先も評価 より強い信頼関係の構築につながった
  6. システムを活用して、大規模な事業に参入するために必要な積算能力を確保した
  7. 作業現場から本社にある必要な書類を即座に参照でき、社長もどこにいても現場の進捗状況が把握できる
  8. 取引先に迷惑をかけないようにUTMで情報セキュリティを強化
  9. アプリで工夫を加えて見る人にとってわかりやすいホームページに
  10. 地域に役立つ企業であり続けるため人材育成に力を入れる
中小企業応援サイト 編集部
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建物の外壁や屋根、橋梁(きょうりょう)などの公共構造物を、塗料やコーティング剤で美しく輝かせると同時に耐久性を強化する塗装工事。香川県丸亀市で創業20年以上の歴史を持つ株式会社エイダイは、同県内の塗装工事を中心に防水などの外装工事全般を手掛けている。現在、橋梁など公共構造物のメンテナンス事業に注力する中、元請け企業として成長するための体制づくりにデジタル技術を活用している。(TOP写真:積算システムを活用するエイダイの従業員)

きめ細やかな説明、品質の高い施工、リーズナブルな価格を大切に

「一塗専心」に取り組む外装工事のプロフェッショナル企業 ICTを活用して新たな成長デザインを描く エイダイ(香川県)
塗装作業に取り組むエイダイの従業員

「成果が目に見える形で残る塗装は、非常にやりがいのある仕事です。お客様へのきめ細やかな説明、品質の高い施工、リーズナブルな価格を大切に、地域のお役に立つ企業であり続けたいと思っています」。香川県丸亀市の幹線道路沿いに立地する株式会社エイダイの本社で、永瀨誠代表取締役は、仕事に取り組む思いを笑顔で語った。経営理念は「一塗専心」。永瀨社長は、「塗装の仕事に全力を注ぐ」という思いを込めてこの言葉を考案したという。

知識、技術、経験を基盤に妥協することのない徹底した作業を心掛ける

「一塗専心」に取り組む外装工事のプロフェッショナル企業 ICTを活用して新たな成長デザインを描く エイダイ(香川県)
2022年7月に行ったSDGs宣言では様々な具体的な取り組みを盛り込んでいる

エイダイは、塗装に関する高度な知識、技術、経験を基盤にした妥協することのない徹底した作業を心掛けている。各メーカーの塗料の特色を理解し、現場に合わせた最適な塗料や素材の選定ができるよう常に研究。高所など厳しい環境での作業に必要な安全管理のノウハウを蓄積しており、主要取引先には大手のハウスメーカー、地元の有力企業、官公庁がずらりと並ぶ。国連の持続可能な開発目標、SDGsにも関心を寄せ、2022年7月にSDGs宣言を行った。

高度で専門的な工事に携わることができるよう常に研鑽を続け、事業は着実に成長

「一塗専心」に取り組む外装工事のプロフェッショナル企業 ICTを活用して新たな成長デザインを描く エイダイ(香川県)
株式会社エイダイの永瀨誠代表取締役

永瀨社長は2002年、27歳の時に個人事業主として塗装工事会社を設立した。社名は、20歳の時に死別した父親が経営していた塗装工事会社の社名を引き継いだという。「塗装業界での修業を経て創業したのですが、最初は文字どおりゼロからのスタートでした。一つひとつの仕事に真摯(しんし)に取り組むことで、お客様の輪を広げていきました」と永瀨社長は振り返った。

塗料の塗布や下地処理に関する技術、素材に応じた塗料の選定に関する知識を蓄積し、より高度で専門的な工事に携わることができるよう常に研鑽(けんさん)を続けてきたという。事業は着実に成長し続けている。2008年に株式会社化を果たし、2014年には同県仲多度郡多度津町に事業所を開設。2018年には新しい本社社屋を丸亀市内に完成させた。

施主に満足してもらえる塗装に仕上げるために現場でのコミュニケーションを何よりも大事にしている。「安心してお任せいただけるようにきめ細かい対応を心掛けています。作業工程の節目ごとにお客様に納得いただいた上で、次の作業に進むようにしています」と永瀨社長。作業が終了した後のフォローを重視し、経年による塗装の剥がれや雨漏りなどのトラブルが発生した時は、迅速に対応する体制を整えている。

地域の生活を支える公共構造物のメンテナンス事業に注力 成長のために必要な体制づくりにデジタル技術は欠かせない

「一塗専心」に取り組む外装工事のプロフェッショナル企業 ICTを活用して新たな成長デザインを描く エイダイ(香川県)
エイダイのオフィスの様子

現在、強化しているのが、地域の生活を支えていく上で不可欠な橋梁や歩道橋をはじめとする公共構造物のメンテナンス事業だ。公共構造物の寿命を延ばす上で塗装が果たす役割は大きい。作業を担当する企業には古い塗膜の除去、材料の選定、塗膜の管理を含め高い技術が求められる。環境や労務管理にも気を配らなくてはならない。エイダイは2019年頃から、公共構造物のメンテナンスを主力事業として育てることを視野に本格的に参入する準備を進めてきた。

「公共構造物のメンテナンスに取り組んでいる元請け企業も、業務のデジタル化に積極的に取り組んでいます。連携をスムーズに進め、迅速にミスなく対応する上で、デジタル技術は欠かせないものになっています。取引先の要望以上の仕事を行い、企業として成長していくために必要な体制づくりにデジタル技術を活用しています」と永瀨社長は話した。

デジタル化に積極的に取り組む姿勢を取引先も評価 より強い信頼関係の構築につながった

2023年12月にはクラウド型の写真管理システムと工事の積算システムを導入した。写真管理システムは、元請け企業に提出する報告書などの文書作成業務に活用している。現場でスマートフォンなどを使って撮影した工事写真をクラウドストレージにアップロードすれば、事前に設定したフォルダに自動で振り分けられるので、以前は手作業だった写真整理の業務効率が飛躍的に向上した。時間をかけずに報告書を作成してデジタル納品することで、取引先の事務処理の迅速化に貢献できることが何よりうれしいという。業務のデジタル化を積極的に進める姿勢を取引先が評価してくれたことで、より強い信頼関係の構築につながったという。

システムを活用して、大規模な事業に参入するために必要な積算能力を確保した

工事の積算システムは今後、元請けとして大規模な事業に参入するために必要な積算能力を確保するために導入した。システムは必要な数値を入力するだけで、工事の見積や積算を自動で行う機能を備えている。正確な見積や積算を自社で行えるようにすることでスピーディーな対応の強化につなげていきたいという。「現場での仕事に全力投球できるように、デジタル技術を活用して、バックオフィス業務はできる限り効率化したいと考えています」と永瀨社長。

作業現場から本社にある必要な書類を即座に参照でき、社長もどこにいても現場の進捗状況が把握できる

これらのシステムの導入と合わせて、社内に設置しているストレージに外部から接続できる機能を追加した。本社と複数の作業現場の従業員が、会社の情報をリアルタイムに共有する上で役立っている。それぞれの作業現場で取引先からの問い合わせがあった際、現場の端末から本社のストレージに接続して必要な資料を確認することができるので迅速に対応できるようになったという。「経営管理の面でもそれぞれの現場の進捗状況や情報を、どこからでも確認できるので非常に役立っています」と永瀨社長はうれしそうに話した。

本社から離れていても仕事をこなすことができる環境を整える一方、デジタル化で便利になり過ぎることで従業員同士の結びつきが希薄化しないよう気を配っている。「デジタル化を進める一方で、直接会って話すリアルなコミュニケーションもこれまでと同じように大事にしています」と永瀨社長。

取引先に迷惑をかけないようにUTMで情報セキュリティを強化

情報セキュリティの面では、ファイアウォール、アンチウイルス、Webフィルタリング、不正侵入防御など複数の機能を備えたUTM(統合脅威管理)機器などを導入して多重の防御システムを構築している。「ネットでのデータのやりとりだけでなく、管理する文書や写真も含めて扱うデータの量は年々増加しています。取引先に迷惑をかけないためにもセキュリティに関しては用心するに越したことはないと考えています」と永瀨社長は話した。

アプリで工夫を加えて見る人にとってわかりやすいホームページに

「一塗専心」に取り組む外装工事のプロフェッショナル企業 ICTを活用して新たな成長デザインを描く エイダイ(香川県)
ホームページでアプリケーションを使って塗装前と塗装後の2枚の画像を比較できるようにしている

2020年にホームページをリニューアルした。会社の概要や方針、施工事例などの情報とともに写真の枚数を増やした。施工事例のページでは、アプリケーションを活用して、1枚の画像の中でスライダーを動かして、塗装前と塗装後の2枚の画像を比較できるようにしている。「工夫を加えて、見る人にとってわかりやすいホームページにすることを心掛けています」と永瀨社長は話す。

地域に役立つ企業であり続けるため人材育成に力を入れる

「一塗専心」に取り組む外装工事のプロフェッショナル企業 ICTを活用して新たな成長デザインを描く エイダイ(香川県)
幹線道路沿いの本社前に掲げているエイダイのバナー

エイダイは若手の採用と育成に積極的に取り組んでおり、従業員の3分の1を20代が占める。資格の取得費用を会社が全額負担するなど従業員の能力向上に取り組み、建築施工管理技士1級、土木施工管理技士1級、建築塗装技能士、有機溶剤作業主任者、高所作業車運転者など従業員一人ひとりが資格を所有している。月1回全体ミーティングを行い、各メーカーと連携した勉強会なども行っている。

「一塗専心」に取り組む外装工事のプロフェッショナル企業 ICTを活用して新たな成長デザインを描く エイダイ(香川県)
エイダイの本社外観

「地域のための人材育成も企業の大切な役目と思っています。人口減少が進む中で公共構造物の新設が減少したとしても、メンテナンスは地域の生活を守っていく上で必要不可欠です。誰かが担っていかなくてはなりません。現状に満足せず、常に目標を設定して挑戦し、地域のお役に立てる企業であり続けられるよう頑張ります」と永瀨社長は穏やかな表情で話した。会社の進むべき方向を明確に設定した上で、会社を持続的に成長させているエイダイ。ICTやデジタル機器がその道筋をより確かなものにするはずだ。

企業概要

会社名株式会社エイダイ
本社香川県丸亀市土器町7丁目802番地
HPhttps://eidai558.co.jp
電話0877-85-5503
設立2008年4月(創業2002年)
従業員数9人
事業内容 一般建築塗装工事、防水工事、とび・土木工事、各種吹付塗装工事、シーリング工事、鉄骨塗装工事等、左官工事