パーソルキャリアがまとめた「doda転職求人倍率」によると、2024年5月の転職求人数は前月比100.5%、前年同月比119.4%となった。転職希望者数は前月比104.1%、前年同月比102.1%だった。(文:日本人材ニュース編集部

2024年5月の転職求人数は前年同月比119.4%、転職希望者数は同102.1% パーソルキャリア調べ

転職求人倍率は前月比0.09ポイント減の2.57倍だった。

業種別にみると、求人数の前月比は12業種(「その他」を除く)のうち6業種で増加した。最も増加率が大きかったのは「コンサルティング」(前月比104.3%)、次いで「メディカル」(同102.3%)だった。

増加率が大きかった「コンサルティング」では、DXやAIに関する戦略策定支援の需要の高まりから、IT戦略コンサルティングのポジションで増加した。

次いで大きかった「メディカル」では、製薬会社でのバイオ医薬品などの開発が活発な背景から、CRO(医薬品開発業務受託機関)で、特に治験に関わるCRA(臨床開発モニター)の求人が増加した。

【業種別 求人数増加率(前月比)】
IT・通信    98.5%
メディア    99.5%
金融      102.1%
メディカル   102.3%
メーカー    100.0%
商社      100.0%
小売・流通   99.2%
レジャー・外食 102.0%
エネルギー   99.1%
建設・不動産  101.6%
コンサルティング 104.3%
人材サービス  101.2%
その他     96.7%

職種別にみると、求人数の前月比は11職種(「その他」を除く)のうち7職種で増加した。最も増加率が大きかったのは「専門職(コンサル・金融)」(前月比103.0%)、次いで「専門職(建設・不動産)」(同102.6%)だった。

【職種別 求人数増加率(前月比)】
営業          100.2%
企画・管理        99.9%
エンジニア(IT・通信)  99.5%
エンジニア(機械・電気) 101.4%
専門職(メディカル)  102.4%
専門職(化学・食品)  100.6%
専門職(建設・不動産) 102.6%
専門職(コンサル・金融) 103.0%
クリエイター      101.6%
販売・サービス       98.8%
事務・アシスタント    95.4%
その他          99.2%

5月の求人数についてパーソルキャリアでは「前月比で微増し、引き続き高い水準で推移した。転職希望者数は、例年夏の賞与後の転職を目指して活動を始める人が増える傾向にあるため、増加したと考えられる。求人数、転職希望者数ともに増加したが、転職希望者数の増加率のほうが大きかったため、転職求人倍率は下降した」と指摘する。

6月以降の転職市場について、「求人数は、欠員補充のための募集や、新卒の採用・入社が一段落する時期でもあり、例年第二新卒向けの求人が増える傾向にあるため、増加する」と見込んでいる。

転職希望者数も、「引き続き、夏の賞与後の転職を目指し、活動を始める人が増えるため増加が見込まれる。例年の傾向から、転職希望者数の増加率よりも求人数の増加率のほうが大きい可能性が高いため、転職求人倍率は上昇する」と予測する。

その他の人材採用や人事関連の記事はこちら