【著者が語る】何でも言える職場はどっち?「心理的安全性」をつくる104問

パジャ・ポス

池本 克之 代表取締役

【PROFILE】ノンバンク、海外ホテル事業、生命保険代理店営業を経験。財務、マーケティング、セールス、人材教育などを体得する。その後、通信販売のベンチャー企業の経営に参画。それまでのノウハウを実践する。 株式会社ドクターシーラボ移籍後、代表取締役として2003年3月ジャスダック店頭公開に貢献。2003年11月ドクターシーラボを退任。月商1億円に満たない時代から1年3ヶ月で月商7億円超に、さらに年商120億円企業へと成長させた。2004年3月ネットプライス執行役員に就任。公開企業のマネジメント経験を活かし、若いベンチャー企業の参謀役としてカスタマーサービス、物流、CRM、仕入先開拓等の 機能を統括する。2004年7月にはマザーズ店頭公開。経営者として2度の株式公開を経験する。その後、複数の企業経営を経て、現在は組織学習経営コンサルタントとして多くの企業の業績向上、企業文化の発展をコンサルティングしている。

人事領域に携わっていれば、心理的安全性が離職率や生産性に大きな影響があることは、ご存じだと思います。なぜなら、心理的安全性が担保されなければ、個人の能力をフルに発揮できないからです。

例えば、指示された業務以外やらない、問題を発見しても報告しない、既存の延長線上にはない思い切ったやり方にはチャレンジしないといった心理的安全性が感じられないことで生じる現象が蔓延すれば、能力の高い人材ほど、その職場に留まろうとする意識は低くなるからです。

それどころか、組織としての生産性は上がらず、有能な人材が流出するわけですから、企業としての競争力も弱体化していくことが容易に予想できます。

企業経営を取り巻く環境が大きく、早く変化していく中で、特に人材市場においては、これまで以上に人材採用が難しくなっていくことは実感されていると思います。もはや人材採用で優位に立ち、離職率を低減させることは、競合他社との競争力を高めるうえで欠かせない重責と言えるわけです。

そこで、心理的安全性が担保された企業文化を構築するために、どのような取り組みができるか知恵を絞り実践を繰り返すことになるわけです。そこで私は、もう一つ大事な視点があると考えています。それは、心理的安全性はもちろんのこと、企業として培ってきた企業文化をどう浸透させるかということです。

企業文化は社長や会社だけで浸透できるものではありません。企業文化は、日々、社内のあらゆる場所で、人と人の関わりによって醸成されるものですから、組織にかかわる全員の意識が必要なのです。

そのためには、誰もが想定できる場面で、使いやすく、無意識のうちに自分たちのものになっていく、つまり企業文化を浸透させるきっかけになる具体的なフレーズが必要だろうと考えたことが本書の意図するところです。

心理的安全性を一言で言えば、思ったことをいつでも、誰に対しても言える環境です。これを企業文化にするには、小さな一言の積み重ねでじわじわと浸透させることです。本書がそのきっかけになることを願っています。

【著者が語る】何でも言える職場はどっち?「心理的安全性」をつくる104問
池本克之 著
自由国民社
1,500円+税

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