2023年度下半期に中途採用を実施した企業の割合は約8割となり、過去最高値を記録したことが、リクルート(東京・千代田、北村吉弘社長)の「中途採用実態調査結果(2023年度実績、正規社員)」で明らかとなった。(文:日本人材ニュース編集部)
2023年度下半期における中途採用活動の実施割合を見ると、「実施した・実施中」は全体で79.5%、「実施しなかった」は全体で20.5%となった。
「実施した・実施中」の割合を経年で比較すると、2021年度下半期から上昇を続け、今回の2023年度下半期には比較可能な2013年度下半期以降で最高値となった。
【中途採用活動の実施割合(下半期)】
2013年 59.9%
2014年 63.8%
2015年 65.9%
2016年 69.4%
2017年 72.4%
2018年 76.3%
2019年 72.0%
2020年 64.9%
2021年 69.8%
2022年 75.6%
2023年 79.5%
※採用については季節性があるため、下半期と上半期は別々
2023年度通期の1社当たり中途採用実績を見ると、2022年度の1.48人から2023年度の1.63人と、10.1%増加した。前年調査時は、2021年度から2022年度にかけて15.3%増加しており、増減率は前年度に比べ低下したが、引き続き中途採用が活発な状況となっている。
業種別に見ると、中途採用実績(増減率)は飲食店・宿泊業で68.8%増、小売業で64.5%増と大きく増加した。
一方、卸売業では15.2%減、サービス業(他に分類されないもの)では5.2%減、製造業(機械以外)では2.7%減と、中途採用実績がマイナスとなった。この3つの業種を除くすべての業種で、中途採用増減率はプラスになっている。
2023年度下半期の中途採用において、必要な人数を「確保できた」と回答した企業は45.5%、「確保できなかった」と回答した企業は53.2%であり、「確保できなかった」と回答した企業の割合は前年度から0.5%ポイント増と微増した。
「確保できた」企業の割合と「確保できなかった」企業の割合の差(中途採用確保D.I.)は、全体で7.7%ポイント減となった。この数値は、比較可能な2013年度下半期以降、最も低い値だった。
2025年4月の新卒採用と2024年度の中途採用の割合について、前年との比較を聞くと、全体的に「割合は変更しない予定」が多く、「わからない」が続いた。
割合を変更する中では、「新卒採用の割合を増やす予定」が11.1%、「中途採用の割合を増やす予定」が14.7%であり、「中途採用の割合を増やす予定」が3.6%ポイント高かった。
近況についてリクルートは「ただし、2025年卒の新卒採用の求人数は増加しており、中途採用割合を増加させても、新卒採用を縮小させるわけではないことがわかる」と分析する。
【2025年4月新卒採用と2024年度中途採用の割合についての前年比較】
新卒採用の割合を増やす予定 11.1%
中途採用の割合を増やす予定 14.7%
割合は変更しない予定 45.1%
採用は実施しない予定 5.8%
わからない 23.1%
調査は、2024年1月25日~3月1日、従業員規模5人以上の全国の民間企業を対象に電話・FAX・インターネットで実施し、4132社の回答を得た。