矢野経済研究所
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2022年度の不動産テック市場規模は前年度比21.1%増の9,402億円と推計

~2030年度には2022年度比約2.5倍の2兆3,780億円に拡大すると予測~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の不動産テック市場を調査し、消費者向けサービス(B to C領域)及び事業者向けサービス(B to B領域)に分類し、市場動向、参入企業動向、将来展望等を明らかにした。

不動産テック市場規模推移と予測

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1.市場概況

消費者向けサービスのB to C領域と事業者向けサービスのB to B領域を合算した2022年度の不動産テック市場規模は、不動産テック市場を構成する各領域の市場が堅調に推移したことから、前年度比21.1%増の9,402億円と推計した。
不動産テック市場規模のうち、B to C向け市場規模は前年度比20.1%増の7,138億円、B to B向け市場規模は同24.7%増の2,264億円である。

2.注目トピック

不動産テック市場は拡大するも参入事業者の淘汰も始まる

拡大する不動産テック市場において、新規参入する事業者数は増加の一途を辿っており、市場は活性化している。多くの事業者は、自社の強みを有する領域に特化し経営資源を集中させることで、ポジショニングを高めているケースが多い。不動産テックが浸透するなかで、該当する領域において優位性を確立する事業者が現れる一方、自社の強みを活かしきれず他社との差別化の難しい事業者の淘汰も始まっている。

3.将来展望

不動産テック市場規模は、2030年度には2022年度比で約2.5倍の2兆3,780億円に拡大すると予測する。このうち、消費者向けサービスのB to C領域は、2030年度には2022年度比で約2.6倍の1兆8,600億円を予測する。住宅ストック数や中古住宅流通市場の拡大を背景に、不動産マッチングサービス市場の拡大などがB to C領域の市場拡大に貢献するものと考える。

一方、事業者向けサービスのB to B領域は、2030年度には2022年度比で約2.3倍の5,180億円を予測する。他の産業界と比較してDX(デジタルトランスフォーメーション)化が遅れていると言われる不動産業界において、政府による電子化推進政策などの後押しもあり、今後、主に不動産仲介・管理業務支援や価格査定支援市場の拡大などがB to B領域の市場拡大に貢献するものと考える。

調査要綱

1.調査期間: 2023年12月~2024年4月
2.調査対象: 不動産テック事業者等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、ならびに文献調査併用
<不動産テック市場とは>
不動産テックとは、「不動産(Real Estate)」と「技術(Technology)」を掛け合わせた造語であり、ICT(情報通信技術)を活用することで、不動産探しや不動産仲介、不動産利用(シェアリング)などのサービス領域において消費者に新たなサービスを提供したり、事業者に対して業務上の不便を解消するなど、不動産業界あるいは不動産業務に関する課題の解決に資するような利便性の高いサービスの総称である。

本調査における不動産テックは、消費者に対するB to C領域として、①不動産探し等のメディア、②不動産マッチングサービス、③設計・施工サービス、④住宅ローン、⑤不動産投資型クラウドファンディング、⑥不動産利用(シェアリング)仲介を対象としている。なお、B to C領域の市場規模には④住宅ローンを除く。
また、事業者に対するB to B領域として、⑦不動産マッチングサービス、⑧不動産情報提供サービス、⑨不動産仲介・管理業務支援/価格査定支援、⑩VR(仮想現実)・AR(拡張現実)技術を活用した支援サービス、⑪IoT(クラウド型監視カメラ/画像解析/スマートロック)を対象とする。 なお、B to B領域の市場規模には⑦不動産マッチングサービス、⑪のうちスマートロックを除くものとする。
<市場に含まれる商品・サービス>
<B to C領域サービス>メディア/マッチング/設計・施工/住宅ローン/クラウドファンディング/シェアリング <B to B領域サービス>マッチング/不動産情報/不動産仲介・管理業務支援・価格査定/VR・AR/IoT(クラウド型監視カメラ/画像解析/スマートロック)

出典資料について

資料名2024年版 不動産テック市場の実態と展望
発刊日2024年04月30日
体裁A4 456ページ
価格(税込)165,000円 (本体価格 150,000円)

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