2023年度全国企業倒産件数は9053件となり、2014年度以来、9年ぶりの9000件台を記録したことが、東京商工リサーチの調査で明らかとなった。(文:日本人材ニュース編集部

2023年度の企業倒産9000件超。円安・コスト上昇の一方、価格転嫁が進まず資金繰り悪化が要因か

2023年度の全国企業倒産(負債額1000万円以上)件数は、前年度比31.5%増の9053件となった。2年連続で前年度を上回り、2014年度(9543件)以来、9年ぶりの9000件台だった。

負債総額は前年度比5.9%増の2兆4630億7800万円となった。2年連続で前年度を上回り、2年連続で2兆円を超えた。

倒産件数を産業別にみると、2年連続で10産業すべてで前年度を上回った。最多は「サービス業他」の3028件(前年度比34.8%増)で、2年連続で前年度を上回り、2009年度以来、14年ぶりに3000件台に乗せた。

以下、「建設業」1777件(同39.4%増)と「卸売業」1048件(同27.0%増)、「製造業」1006件(同25.4%増)が、それぞれ2年連続で前年度を上回った。

要因について東京商工リサーチは、「円安基調が続くなかで、資材高や仕入コストの上昇の一方、価格転嫁が進まず、資金繰りに影響を及ぼした」と指摘する。

また、燃料価格の高止まりが続くなかで、人手不足や2024年問題を間近に控えた「運輸業」が441件(同25.6%増)と3年連続で前年度を上回り、9年ぶりに400件台に乗せた。

【産業別 倒産状況】
農・林・漁・鉱業 102件(前年度比12.0%増)
建設業 1777件(同39.4%増)
製造業 1006件(同25.4%増)
卸売業 1048件(同27.0%増)
小売業 993件(同29.9%増)
金融・保険業 28件(同7.6%増)
不動産業   281件(同15.1%増)
運輸業    441件(同25.6%増)
情報通信業  349件(同35.2%増)
サービス業他 3028件(同34.8%増)

倒産件数を地区別にみると、2008年度以来15年ぶりに9地区すべてで前年度を上回った。

「北海道」と「東北」、「関東」、「中部」、「近畿」、「中国」、「九州」がそれぞれ2年連続で前年度を上回った。「北陸」と「四国」はそれぞれ4年ぶりに前年度を上回った。

【地区別倒産件数】
北海道 269件(前年度比25.7%増)
東北 489件(同47.2%増)
関東 3372件(同30.5%増)
中部 1078件(同17.8%増)
北陸 170件(同17.2%増)
近畿 2322件(同33.9%増)
中国 413件(同47.5%増)
四国 181件(同57.3%増)
九州 759件(同35.0%増)

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