「TOKYO BASE 新卒採⽤初任給 40 万円への引き上げを実施」
“初任給40万円”という見出しに、多くの人が驚きSNSで情報が拡散された。

しかし、大手メディアの報道による額面金額を見た段階で内訳にまで考えが及んだ人はどれほどいただろうか。
各社賃上げが過熱する中で、実際に2024年度初任給はどのような状況になっているか、高額な初任給のカラクリについて日本人材ニュース編集部が解説する。(文:日本人材ニュース編集部

目次

  1. 2024年度入社 初任給一覧(2024年3月18日時点)
  2. 2024年春闘、33年ぶりに5%超の賃上げ
  3. 2024年卒採用、総合職採用で初任給の引き上げを行った企業は70.0%
  4. 高額な初任給は固定残業代込みの場合が大多数
  5. 初任給は内訳まで確認を

2024年度入社 初任給一覧(2024年3月18日時点)

多くの企業で、2024年賃上げと併せて初任給も引き上げる方針だ。

企業名 2024年度初任給(前年比増加額)
シャープ株式会社 25万1000円(9500円増)
株式会社東芝 大卒25万円(7.8%増)
高卒18万7000円(5%増)
日本製鉄株式会社 大卒26万5000円(4万1000円増)
高卒21万円(3万円増)
スズキ株式会社 大卒25万1000円(14.1%増)
東京電力ホールディングス株式会社 23万7100円(1万1400円増)
西日本旅客鉄道株式会社 大卒総合職23万9646円(4.4%増)
全日本空輸株式会社 大卒総合職24万9557円(1万1000円増)
京王電鉄株式会社 大卒26万円(3万円増)
高卒22万円(2万6300円増)
日本郵船株式会社 32万3300円(4万8300円増)
味の素株式会社 大卒25万9000円(1万4000円増)
マツモトキヨシホールディングス株式会社 23万円(2万3000円増)
コクヨ株式会社 大卒事務社員25万500円(12.8%増)
イトーキ株式会社 大卒22万8000円(3万2000円増)
高卒21万8000円(3万円増)
オリックス株式会社 大卒総合職27万円(3万円増)
大和ハウス工業株式会社 大卒25万円(1万円増)
ゼンショーホールディングス株式会社 大卒27万8000円(2万8000円増)
株式会社JTB 大卒首都圏勤務26万2000円(3万2000円増)

日本人材ニュース編集部では、2023年3月にGMOインターネットグループに取材を行っている。
同社は2023年度入社の新卒採用から、グループ企業110社において「No.1&STEAM人財採用~新卒年収710万プログラム」をスタートさせた。
優秀な新卒人財に対して、2年間年収710万円を約束することで、次世代でリーダーを担える人財を確保することがねらいだ。

2024年春闘、33年ぶりに5%超の賃上げ

連合の2024年3月15日10時時点の速報によると、定期昇給分とベースアップ相当分をあわせた賃上げ額は1万6469円増(率にして5.28%増)となり、1991 年(5.66%)以来 33 年ぶりに 5%を超えた。
参考:日本労働組合総連合会「33 年ぶりの 5%超え!有期・短時間・契約等労働者は一般組合員を上回る~2024 春季生活闘争 第 1 回 回答集計結果について~」
賃上げと併せて、初任給の引き上げを行う企業が目立った。

2024年卒採用、総合職採用で初任給の引き上げを行った企業は70.0%

マイナビ(東京・千代田、土屋芳明社長)が実施した「マイナビ2024年卒 企業新卒採用活動調査」によると、2024年卒採用について、総合職採用で初任給の引き上げを行った企業は70.0%、引き上げ額が最も多かったのは5000円~1万円未満で36.0%となった。

【初任給の引き上げを行った企業限定 初任給の引き上げ額】
~5000円未満    29.3%
5000円~1万円未満 36.0%
1万円~2万円未満  24.7%
2万円~3万円未満  7.8%
3万円~4万円未満  1.5%
4万円~5万円未満  0.4%
5万円以上     0.3%

引き上げの理由は「給与制度の見直しで全社員の給与を引き上げたため」(53.0%)が最多で、次いで「求職者へのアピールのため」(48.8%)となった。

高額な初任給は固定残業代込みの場合が大多数

サイバーエージェントは、2023年春の新卒入社の初任給を42万円に引き上げると報道されたことが話題となった。ところが初任給42万円は基本給ではなく、その中には固定残業代が含まれていることがわかり、ネット上で大騒ぎになった。

だが募集要項には、同社のビジネスコースは「42万円/月(年俸制504万円)」とあり、月給制職種の場合は「固定残業代の相当時間:時間外80.0時間/月、深夜46.0時間/月」ときちんと書かれている。つまり残業代込みの月給であることが分かる。

今回報道されたTOKYO BASE初任給40万円の内訳も、基本給20万3000円、固定残業代17万2000円/月80時間、その他一律手当込みで40万円となる。

Gakkenでは大卒初任給を25%引き上げた30万円としたが、その内訳は基本給26万円、固定残業代4万円/月20時間としている。

初任給は内訳まで確認を

今後も初任給を引き上げる企業は増えていくだろう。加えて、高額な初任給を提示する企業もさらに増えていく可能性がある。
新卒初任給を採用活動や就職活動の参考にするのであれば、各社が発表している内訳についてもしっかり確認したい。

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