日立造船株式会社(7004)の100%子会社でごみ焼却発電プラントやバイオガスプラントなどの設計、建設、運営、保守を手がけるHitachi Zosen Inova AG(スイス、以下、HZI)が、イタリアを中心にバイオガス事業を手がけるSchmack Biogas Srl(イタリア トレンティーノ=アルト・アディジェ州、以下、Schmack Biogas)の株式過半数をPLC SpA(イタリア、以下、PLC)などから取得し、子会社とした。
Schmack Biogas は、2021年にHZIが買収したSchmack Biogas Service GmbH(現Hitachi Zosen Inova Schmack GmbH、ドイツ、Schwandorfシュバンドルフ)の支店として 2006年に設立され、2018年に独立した後、2020年にPLCが株式過半数を取得していた。
Schmack Biogasは設立後一貫してバイオガス事業を手がけており、イタリアを中心に、ギリシャ、エストニア、ベルギー等でバイオガスプラントのEPC(Engineering(設計)、Procurement(調達)、Construction(建設))、運営・保守、事業開発に携わってきた。 イタリアは欧州の中でもバイオガス・バイオメタン利用が盛んであり、欧州委員会が公表した「REPowerEU」の計画により、さらなる市場拡大が見込まれている。
日立造船グループは、欧州におけるバイオガスの自社運営事業拡大のために2023年度から2025年度までの3年間で約400億円の投資を計画しており、既にHZIはイタリア北西部の都市Pianfeiピアンフェーイにおいて、バイオガスプラントの建設および自社所有・運営を決定し、2027年の稼働開始を目指している。
HZI は、乾式メタン発酵技術「Kompogas®(コンポガス)」で2014年からバイオガス事業に進出し、2021年には湿式メタン発酵技術を有するHitachi Zosen Inova Schmack GmbHを買収するなど、バイオガス事業のEPCや運営、保守の強化に取り組んできたが、Schmack Biogas は、イタリアおよびその他海外で約70件のバイオガスおよびバイオメタンプラントを納めており、HZIグループのバイオガス事業のさらなる拡大に大きく貢献するものである。
今回のSchmack Biogasの株式取得は、日立造船グループの戦略に沿った取り組みであり、同社グループは日本および欧州で培ってきたバイオガス・バイオメタン技術を活用し、ますます高まる需要に積極的に貢献していく。