2025年卒学生の採用予定数は「前年並み」と回答する企業が59.7％となっていることが、マイナビ（東京・千代田、土屋芳明社長）が実施した「マイナビ2025年卒 企業新卒採用予定調査」で明らかとなった。（文：日本人材ニュース編集部）
25年卒の採用予定数は「前年並み」が59.7％、「増やす」が32.0％、「減らす」が4.1％となった。文理別にみても、ともに「前年並み」が増加した。（文系55.6％／前年比3.0ポイント増、理系56.9％／前年比4.6ポイント増）。
これまで2年連続で採用数を「増やす」と回答する企業が増加していたが、25年卒は前年比減となった（文系：前年比4.4ポイント減、理系：前年比4.7ポイント減）。現況についてマイナビは「採用充足率が年々低くなるなか、採用予定目標数はこれ以上増やせない状態まで達している」とみている。
【25年卒の採用予定数】
増やす 32.0％
前年並み 59.7％
減らす 4.1％
未定 2.5％
なし 1.1％
中止 0.6％
【25年卒の採用予定数 大学（文系）】
増やす 23.3％（前年27.7％）
前年並み 55.6％（同52.6％）
減らす 3.0％（同3.0％）
未定 10.7％（同10.0％）
なし 6.6％（同6.6％）
中止 0.7％（同0.2％）
【25年卒の採用予定数 大学（理系）】
増やす 25.1％（前年29.8％）
前年並み 56.9％（同52.3％）
減らす 2.0％（同2.2％）
未定 11.4％（同11.5％）
なし 3.9％（同3.9％）
中止 0.7％（同0.4％）
新卒採用実施の理由の変化を見ると、「将来の幹部候補・コア人材の確保」が3年連続で減少する一方で、「退職者の増加」や「前年に新卒を採用できなかったから」は増加している。
【新卒採用実施の理由で「将来の幹部候補・コア人材の確保」を挙げた企業割合】
22年卒 51.2％
23年卒 48.4％
24年卒 43.1％
25年卒 39.8％
【新卒採用実施の理由で「退職者の増加」を挙げた企業割合】
22年卒 9.2％
23年卒 14.0％
24年卒 18.1％
25年卒 21.4％
【新卒採用実施の理由で「前年に新卒を採用できなかったから」を挙げた企業割合】
22年卒 9.0％
23年卒 10.1％
24年卒 15.6％
25年卒 22.3％
給与の引き上げについて聞くと、初任給の引き上げを行う予定の企業は合計で47.2％だった。詳細を見ると「現時点ですでに引き上げており、さらに引き上げを行う予定」が全体の34.5％、上場企業では49.3％で最多となった。
【初任給の引き上げについて】
現時点ですでに引き上げており、さらに引き上げを行う予定 34.5％
これまでは行っていなかったが、25年卒入社の社員も対象となる前提で引き上げを行う予定 8.2％
これまでは行っていなかったが、2024年以内に引き上げを行う予定 4.5％
現時点ですでに引き上げており、今後行う予定はない 27.7％
もともと高いので引き上げる予定はない 2.3％
現実的に難しいので引き上げる予定はない 7.3％
これまでは行っていなかったが、引き上げの必要性を感じている 13.5％
引き上げの必要性を感じていない 2.0％
基本給についても同様の傾向が見られ、引き上げを行う予定の企業は合計で48.8％となっている。この傾向についてマイナビでは「新卒採用実施の理由として退職者の増加をあげる企業も増えていることから、採用におけるアピールという理由だけでなく、待遇改善により現職社員の定着も目指していると考えられる」とした。
【基本給の引き上げについて】
現時点ですでに引き上げており、さらに引き上げを行う予定 37.7％
これまでは行っていなかったが、25年卒入社の社員も対象となる前提で引き上げを行う予定 6.6％
これまでは行っていなかったが、2024年以内に引き上げを行う予定 4.5％
現時点ですでに引き上げており、今後行う予定はない 25.3％
もともと高いので引き上げる予定はない 1.9％
現実的に難しいので引き上げる予定はない 7.3％
これまでは行っていなかったが、引き上げの必要性を感じている 14.6％
引き上げの必要性を感じていない 2.2％
調査は、2024年2月1日～14日、マイナビ運営の「HUMAN CAPITALサポネット」会員、マイナビ2025利用企業担当者を対象に実施し、1842社の有効回答を得た。（上場146社・非上場1696社、製造712社・非製造1130社）
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100％にならない場合がある。
