〈家庭用は弁当品3品を刷新〉
極洋は22日、今春の新商品として市販用は11品、業務用は15品を、3月1日以降にそれぞれ発売すると発表した。今回のテーマは「おいしさを極める!便利さ広がる!」。人手不足などに悩む店舗の課題解決につながる製品や、時短ニーズに応えた商品などで支持の拡大を目指す。売上目標は、業務用(低温流通保管品など含む)が13億円、市販用(缶詰など含む)は37億円。
業務用市場では人手不足はより深刻さを増しているという。材料費や人件費など様々なコスト高騰も負担となっているようだ。一方で、インバウンド需要などの好調で外食や中食市場は伸長しており、業務用商品の引き合いも堅調に推移しているという。今回の新製品では、こうした市場のニーズに応えた商品で支持の拡大を目指す。
カニ風味かまぼこ「オーシャンキング」シリーズからは「オーシャンキングの極 しっとりかにごこち」を発売する。従来品よりも離水率が下がったことで、繊維の中に水分を多く閉じ込められるようになり、よりしっとりとした食感に仕上がっている。そのまま食べるだけでなく、寿司や天ぷらにも合う。袋入りの商品に加えて、アウトパック商品も販売する。
また、強みの生食商材として「サーモンたたきRT4」を投入する。米国産の天然紅鮭を粗めにたたき、食感も楽しめるようにした。
家庭での時短調理への関心が高まる中で、今回は「真鯛漬け丼の具」と「ぶりひら漬け丼の具」をそれぞれ投入する。解凍すればすぐに漬け丼が食べられる。
市販用冷凍食品は、「ふんわりえびカツR3」「国産サーモンメンチカツ」「タルタルソース入りえびカツ5個R」の3品をそれぞれ刷新する。衣を改良し、従来品と比べてサクサク感は約1.6倍、かみ切りやすさは約1.7倍になったという。
【新製品一覧】
〈業務用冷凍〉
▽真鯛漬け丼の具
▽ぶりひら漬け丼の具
▽サーモンたたきRT4
▽オーシャンキングの極 しっとりかにごこち
▽ビーフシチューコロッケ
▽えびフリッター(大)
▽白身魚一口フライ
▽若鶏の梅しそロールカツ
▽若鶏のしそチーズ竜田揚げ
▽若鶏の梅しそ竜田揚げ
▽だんどり上手 あじ西京焼き(骨なし)
▽だんどり上手サーモン切身(骨なし) カラフトマス原料を使用
〈フローズンチルド食品〉
▽しっとりかにごこち
〈超低温流通保管品〉 ▽味付カツオタタキ(瀬戸内塩レモン) ▽指宿山川産のカツオタタキ 梅昆布R
〈家庭用冷凍〉
▽ふんわりえびカツR3=110g(5個)
▽国産サーモンメンチカツR=110g(5個)
▽タルタルソース入りえびカツ5個R=110g(5個)
〈海外事業の更なる強化へ 井上社長「新商品は最高の武器」〉
22日に行われた発表会には、井上誠社長が登壇した。今年3月で、中期経営計画『Build Up Platform 2024』が終了することに触れ、「営業だけでなく、財務や人事などでも極洋の基礎を築き上げ、今後の3年間は強化と拡大に力を注いでいく」と話す。特に力を入れる取り組みとしては海外事業を挙げ、「2022年にベトナムで子会社を設立し、23年には米国でカニ風味かまぼこの生産を目的とした新会社2社を設立、24年にはトルコで冷凍食品企業を買収するなど取り組みを進めてきた」と振り返る。
これまでは国内での販売がメインだったが、今後は海外で製造した商品を、海外で販売することをメインにするべく、水産や冷凍食品、生鮮は強化するという。井上社長は「提案を進める上で新商品は最高の武器。今後も極洋ならではの付加価値の高い商品開発を進めていく」と力強く語った。
〈冷食日報2024年2月26日付〉