2023年の平均初年度年収は456.6万円で、コロナ前の2019年平均から19.0万円増加していることが、マイナビ(東京・千代田、土屋芳明社長)が発表した「正社員の“平均初年度年収”と“求人件数”の2023年総評」で明らかとなった。

2023年の平均初年度年収は456.6万円、未経験者募集求人の比率が高い業種は「運輸・交通・物流・倉庫」

正社員の平均初年度年収は456.6万円、未経験者求人は426.8万円、経験者求人は518.3万円だった。2022年平均と比較すると、全体では2.4万円増、未経験者求人は3.1万円増、経験者求人は4.1万円増となった。

平均初年度年収の動向についてマイナビでは「コロナ禍前の2019年から正社員求人における初年度年収は増加傾向にある」と指摘する。

【正社員の平均初年度年収】
2023年平均 456.6万円
2022年平均 454.2万円
2021年平均 453.2万円
2020年平均 450.5万円
2019年平均 437.6万円

正社員の平均初年度年収が高かった業種ランキングは、1位が「IT・通信・インターネット」で518.4万円(前年差4.6万円増)、2位が「金融・保険」で516.1万円(前年差14.4万円増)、3位が「コンサルティング」で501.5万円(前年差8.1万円増)となった。

【2023年平均で正社員の初年度年収が高かった業種トップ5】
1位 IT・通信・インターネット 518.4万円
2位 金融・保険 516.1万円
3位 コンサルティング 501.5万円
4位 不動産・建設・設備 491.8万円
5位 メーカー 454.2万円

求人件数は2019年平均を基準として147.4%、2022年平均と比較して15.4ポイント増加した。3カ月ごとの推移についてマイナビは、「2023年は年間を通して求人件数が増加し続けている」としたうえで、今後について「企業の中途採用意欲が高まっており、今後も転職市場は活発に動いていく」と予想する。

【2019年の年間平均を100%とした求人件数推移】
2023年平均 147.4%
2022年平均 132.0%
2021年平均 112.7%
2020年平均  89.7%
2019年平均 100.0%

求人の経験者/未経験者の募集比率は、未経験者求人が67.4%、経験者求人が32.6%だった。2022年平均と比べると、未経験者求人の比率が微増している。

近況についてマイナビは「コロナ禍で2020年以降未経験者求人を取りやめる企業が増加した影響はいまだ残っていると考えられるが、未経験者求人比率には復調の兆しが見える」とした。

今後については「更にIT化やDXが進む中で高度な技術を持つ人材のニーズが高まることが予想され、経験者/未経験者の募集比率にも影響が出る」と指摘する。

年間で未経験者募集求人の比率が高かった業種ランキングは、1位が「運輸・交通・物流・倉庫」で84.4%、2位が「サービス・レジャー」で82.7%、3位が「環境・エネルギー」で81.9%だった。

一方、経験者募集求人の比率が高かった業種ランキングは、1位が「IT・通信・インターネット」で52.6%、2位が「メーカー」で40.2%、3位が「金融・保険」で40.0%だった。

調査は、2023年1月1日~12月31日、「マイナビ転職」に掲載開始された求人情報、応募数から除外対象データを除き集計。
※除外対象:雇用形態が正社員以外

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