コーヒーの「ジョージア」が脳神経科学の知見でコーヒーの香りを測定解析
(画像=コーヒーの「ジョージア」が脳神経科学の知見でコーヒーの香りを測定解析)

日本コカ・コーラ社は1月30日、同社の展開するコーヒーブランド「ジョージア」が、九州大学発ベンチャー企業のUniversal Mind社(奥田一貴社長、本社=福岡県福岡市、以下「UM」)と共同で、「感情に作用するコーヒーの香り」に関する効果検証試験を実施したと発表した。

今回の試験では、「ジョージア」の現行品と改良品のコーヒーをそれぞれ飲用し、その後に脳波測定を行い「快」「不快」を表すパラメーター「Valence」を調べた。「Valence」が高いほど、より「快」の状態に近いことを示すとする。その結果、飲用後に「Valence」が上昇し、改良品で有意に上昇したという。今回「Valence」の値に差が見られた改良品は、現行品より深煎りの香りが感じられるように設計したものとしている。

この結果について、コカ・コーラ東京研究開発センターの網野紗与コーヒーチームプロジェクトマネジャーは、「コーヒーの香りについては、一般的にリラックスする、落ち着く、集中できるなどと知られていますが、“ジョージア”ブランドとして実際に効果の検証まではされていない状況でした。そこで、“ジョージア”ではこの香りの効能についてより一歩踏み込むことで、お客様にさらに価値のあるコーヒーを届けたいという思いで研究に着手しました」としている。

また、Universal Mind社長で医師の奥田一貴医師は、「今回の実験から、実証実験で飲用された“ジョージア”の改良品では、コーヒーを飲用後、脳波測定により算出された心地よさなどを示唆するValenceの値が現行品と比較して有意に高まることが分かりました。このことから、“ジョージア”において長年行われてきていた香りについて研究などを活かした今回の改良品が、当初目指されていた気持ちがやわらぐようなコーヒーに近づいたとも考えることができるのではないかと考えています」。

「今回の実験結果は、“ジョージア”ブランドのコーヒーが脳内に与える影響を解析した試みになります。味や香りの効果が注目され、数値化され始めている昨今において、今後販売されていく飲料に関してその効果を人間の感じ方、脳活動という観点で確認していくことは大切な要素になっていくと感じています。今回は脳波を用いた探索的な実験を行いましたが、今後はMRIを用いた脳機能に関する研究を、被験者を増やして実験を行っていくことで、飲料の味や香りがどのように影響を及ぼすのかという点を“脳”という観点で明らかにしていきたいと考えています」としている。