日本豆腐協会(日豆協)は1月16日、新年研修会・賀詞交換会を都内で開催した。
研修会では、「豆腐におけるタンパク質の役割について」を、岩手大学の小野伴忠名誉教授が講演した。
研修会に先立ち、能登半島地震の犠牲者に対して黙とうがささげられた。三好兼治会長があいさつし、地震で亡くなった人へのお悔やみの言葉や、被害者へのお見舞いの言葉を述べた。「2023年5月にコロナが5類に移行し、一応収束を見せた。しかし、原材料の高騰や円安進行、輸入コンテナの不足、労働人口の減少、Non-GMO大豆の不足、なかなか進まない価格転嫁など、豆腐業界を取り巻く環境は刻々と変化している」と説明した。
「日経平均株価が3万6,000円を一時つけるなど、明るい兆候も見えてきた。一方、物価の上昇とそれを上回る賃上げを早急に実施しなければ、日本が世界経済から取り残されてしまう危機感を強く感じる。価格転嫁したい企業は多いが、適正価格を下回って販売するメーカーもいて実現が難しい。このままだとジリ貧だ。再投資もできず、ますます生産性の悪い業態になってしまう。会員の皆様は、少しでも価格転嫁するため小売業界などにも呼びかけてほしい」とした。
〈日豆協が技能実習生の試験を担当、全豆連と共に豆腐のJAS規格化を進める〉
日豆協の取り組みとして、技能実習生の1号から2号への移行を目指し、日豆協が試験を担当する認定申請団体となることが全国豆腐連合会(全豆連)との間で確認された。今後、厚労省とともに、試験の実施内容や担当者の選定などの詳細を決めていく。「カンボジアやベトナムの技能実習生の教育を通じて、現地の豆腐製造の近代化に協力したい」とする。
これまで30回議論してきた豆腐公正競争規約については、豆腐公正競争規約設定委員会をいったん解散し、豆腐公正競争規約準備委員会に移行しようとしたものの、賛同を得られていない状況だ。そこで、全豆連と協働して、豆腐のJAS規格化を検討しているという。
「豆腐製造事業者は、令和4年度(2022年度)時点で4,599件、前年から369件減少した。このペースはここ数年ほぼ同じだ」と懸念する。「全豆連でも日豆協でも構わないので加入していただき、業界を盛り上げるためにご協力いただきたい」と呼びかけた。
賀詞交歓会では、町田英史理事(町田食品社長)が乾杯の音頭を取った。
「能登半島地震や、飛行機の衝突といった想定外の事件が発生し、大変不安な幕開けとなった。豆腐業界においても諸問題が山積している。物価高や、価格転嫁、エネルギー費の高騰の問題などが残っている。先行きが不透明な状況だが、前を向いて進んでいかなければならない。今年は辰年だ。なんとか上昇気流に乗り、われわれの成功を手繰り寄せられたらと思う。業界の中で力を結集して、盛り上げていきたい」とあいさつした。
中締めは、日本豆腐機器連合会で代表理事を務めている川西の川西聡一郎取締役が行った。
〈大豆油糧日報2024年1月22日付〉