UCC上島珈琲は12月17日、鎌倉エフエム放送が主催したイベント「しごとてんmini」内で、小学校高学年に向けたセミナー「コーヒーとSDGs for キッズ」を実施した。
同セミナーには14組の親子が参加した。コーヒーの基本的な知識に関するクイズや、実際にコーヒー豆を触り、コーヒーミルで挽くなどの体験学習でコーヒーの知識を深めた。その後、地球温暖化により将来コーヒーが飲用できなくなる可能性もあることが紹介され、参加者は使用したコーヒー豆を再利用する方法など、環境保護につながる身近な取り組みを学んだ。
講師を務めたUCCホールディングス社サステナビリティ推進室の願能千瑛係長は、「今回のセミナーの内容を、子どもたちがご家族と話したり、日常生活でSDGsを意識する手助けになればうれしい」と語った。
また、セミナーでは、UCCがコーヒー生産国のエチオピアとルワンダに対し行っている活動についても紹介した。エチオピアでは、2011年に森林保全プロジェクトを開始している。森林保護区「ベレテ・ゲラ」に育つ野生のコーヒーに着目し、それまで森の木を伐採し生計を立てていた住人に、コーヒーの生産技術を伝えることで森林伐採を抑えたという。なお、UCCは日本で初めてベレテ・ゲラ産のコーヒーを製品化している。
ルワンダでは、2012年から「一村一品運動」、2019年から取水場づくりを行っている。「一村一品運動」は、1つの村につき1つの特産品をつくり、村の住人の生活をより豊かにする活動だという。UCCの社員が直接ルワンダの村を訪問し、コーヒーを育てるための知識や技術を教えることで、味と品質の良いコーヒーの生産が可能になったという。なお、取水場は2021年に5つ完成し、約2万世帯12万人が清潔な水を利用できるようになった。セミナーでは、ルワンダ住人からのビデオメッセージが流された。
鎌倉エフエムの小松あかりプロデューサーは、今回のセミナーを開催したねらいについて次のように語る。「食べ物は万国共通なので、そういった切り口から子どもたちに社会課題や取り組みを意識してもらいたい」。