ソフトバンク、アイルランドのEVプラットフォーム企業を約750億円で買収へ

ソフトバンク株式会社(9434)と、Cubic Telecom Ltd.(アイルランド共和国ダブリン、以下Cubic Telecom)は、ソフトバンクがCubic Telecomに約4億7,300万ユーロ(約747億円)を出資し、企業価値が約9億ユーロ以上ある同社株式の51.0%を取得することで合意した。

両社は本取引を通して、Cubic Telecomが提供中のグローバルIoTプラットフォームをさらに成長させ、コネクテッドカーやSDV、IoTモビリティ4領域においてグローバル規模で主導していく。

ソフトバンクは、移動通信サービス・固定通信サービス・インターネット接続サービスの提供、携帯端末の販売を行う。

Cubic Telecomは、コネクテッドカーおよびSDV(Software Defined Vehicle)向けにIoTプラットフォームをグローバル展開するリーディングカンパニー。世界190カ国・地域以上で先進的なSDCV(Software Defined Connected Vehicles)とコネクティビティ・ソリューションを提供する。世界の大手の自動車、農業機械、IoTモビリティメーカーなどと協力し、世界で1,700万台以上の車両で利用され、毎日10億件のモバイルインターネットによるデータ通信を可能にしている。

Cubic TelecomのCEOであるBarry Napierは、本取引完了後も引き続きCubic Telecomの経営をけん引していく。また、取締役には、現任のフォルクスワーゲングループのCARIAD(カリアド)社やQualcomm(クアルコム)社などの既存株主からの3人に加えて、ソフトバンクから常務執行役員で法人事業統括 グローバル事業担当の野崎 大地を含む3人が新たに就任予定。本取引完了後、Cubic Telecomはソフトバンクの連結子会社になる。

ソフトバンクはこれまで、主にアジア太平洋(APAC)地域においてグローバルIoT事業を展開してきたが、コネクテッドカー向けIoT業界のリーダーであるCubic Telecomとの新たな戦略的パートナーシップを締結することで、急成長するコネクテッドカーおよびSDV市場向けのグローバルIoT事業へ本格的に参入し、新たな収益機会の創出を図る。

またCubic Telecomは、APACの国・地域で幅広い顧客基盤を持つソフトバンクとのパートナーシップにより、新たな販売チャネルを開拓し、市場リーダーとしての地位をさらに強化する。

さらに両社は、シナジーの創出や新規サービスの開発にも取り組む。具体的には、衛星や成層圏での非地上系ネットワーク(NTN)ソリューションを活用して、従来の地上ネットワークでは通信が届かない地域にある車両やIoTモビリティに、シームレスな通信サービスを提供するなどの取り組みも検討していく。

・今後の予定
本取引の完了は、さまざまな国・地域の規制当局の承認およびその他の条件が前提となり、完了時期は2024年上期中を見込む。

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(提供:日本M&Aセンター

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