(左から)(株)ぐるなび ぐるなび大学・小崎俊幸氏、ぼる塾、農水省・藤河課長
(画像=(左から)(株)ぐるなび ぐるなび大学・小崎俊幸氏、ぼる塾、農水省・藤河課長)

〈トレンドジビエを発表、片手で食べられる「ワンハンドジビエ」など紹介〉
(株)ぐるなびは11月1日から2024年2月29日までの間、「全国ジビエフェア2023」を開催する。農水省「令和5年度(2023年度)全国ジビエプロモーション事業」の事業実施主体として、全国のジビエメニューを提供する飲食店・ホテルやジビエの加工品などを販売する小売店、ECサイトを特設サイトで紹介し、国産ジビエの消費拡大を後押ししていく。

近年、農作物への鳥獣被害対策のため鳥獣捕獲が増加するなか、捕獲鳥獣を地域資源として利用することで、マイナスからプラスの存在に変える取組みが推進されている。こうしたなか、同フェアは「プラスジビエ」をメインコンセプトに、国産ジビエの魅力を伝え、ジビエをより知って、食べてもらうことを目的とするもの。ことしで6回目の開催となる。10月26日時点で全国1,054店の飲食店・小売店が参加しており、参加店舗は2024年2月末まで募集しているという。

フェア開催にあたり、10月26日には都内で記者発表会が開かれ、同フェアの概要に加え、今後流行しそうなジビエ料理を「トレンドジビエ」として、「温活ジビエ」「韓流ジビエ」「ワンハンドジビエ」が発表された。ぐるなびのビッグデータや会員へのアンケート調査をもとに予測・選定し、この新たな取組みを通じて、食のトレンドに適合したジビエの価値を創出することで、ブームではなく食文化として、食生活にジビエがプラスされることを目指していく。アウトドア人気が根強く片手で手軽に食べられる料理が人気なことや、コロナ禍で1人分に取り分けられた料理が増えたことを背景に、3つのうち、「ワンハンドジビエ」が消費者アンケートで最も食べてみたいメニューだったとし、イチオシの「トレンドジビエ」として紹介した。

登壇した農林水産省農村振興局鳥獣対策・農村環境課の藤河正英課長は「近年、シカやイノシシが増え、多くの農家や林業関係者などが被害を受けており、国では捕獲を進めている。こうしたなか、命を大切に活用するという想いで、多くの人がジビエの利用拡大に取り組んでいる。ジビエを安心して食べていただくためには、安全確保が必須となる。国では野生鳥獣肉の衛生管理に関するガイドラインを定めるとともに、トレーサビリティなど一段上の取組みを行うジビエ処理施設を認定する『国産ジビエ認証』という制度を設けている」と指摘した。

その上で、「ひと昔前まで、ジビエは血生臭い、硬い、衛生面が心配といったイメージがあったが、これらの取組みを通じ、現在流通しているジビエは、牛や豚、鶏肉とは一味違ったおいしい肉として食べていただけると思う。また、ジビエは高タンパクや低脂肪、鉄分が多いといった栄養面での特長もある。まずは多くの人にジビエを味わってもらおうと実施しているのが『全国ジビエフェア』だ。最近は、ジビエ料理といっても、さまざまなジャンルの料理で味わうことができる。同フェアを通じて、新たなジビエの魅力に出会っていただきたい」とフェア開催をアピールした。

会場では、芸人・ぼる塾のきりやはるかさん、あんりさん、田辺智加さんをゲストに迎え、「トレンドジビエ」が発表されるとともに、「温活ジビエ」のポトフや「韓流ジビエ」のプルコギ、「ワンハンドジビエ」のタコスがお披露目された。実際に試食したぼる塾の3人は「これまでジビエは高級料理というイメージだったが、いつもの慣れ親しんだ料理でジビエを味わうことができ、ジビエをより身近に感じることができた」と感想を述べた。

なお、特設サイトでは、「おそとでジビ活」としてジビエメニューを提供する飲食店を掲載するほか、「おうちでジビ活」としてジビエを販売するECサイトなどを紹介し、全国各地のジビエが食べられる・買える店舗を検索できる。また、インスタグラムアカウント(@gibier_fair)では、ジビエ料理の魅力を発信、11月から2024年2月にわたり、各月ごとに投稿テーマを設定し、同フェアの参加店舗情報を中心に紹介していく。

〈畜産日報2023年10月30日付〉