岐阜県の長良川沿いをのんびり走るローカル列車・長良川鉄道は1923年10月5日の国鉄時代に越美南線を設立し、100周年を迎えました。地域の方にも愛されていて、観光列車として有名になりつつあります。昨今では、SNSで話題となった『モネの池』などの観光スポットも数多く点在しています。そんな長良川鉄道の景色のポイントや今後のビジョンについて、ワクセルが現地にてインタビューを行いました。
ローカル列車から観光列車へ変貌した背景
2016年4月から観光列車が始まり、「長良川鉄道といえば観光列車」というイメージが徐々に定着しつつあります。列車の中で食事ができたり、自分たちでお弁当やお酒を持ってきたりして楽しめるプランなどもあります。
元々、鉄道は通勤・通学に使われていたのですが、通勤・通学の利用者が減っているのが現状です。そこで、鉄道会社として生き残っていくためにはどうするべきか考えたなかで、郡上八幡を中心とした観光地を利用することに着目しました。
「観光客を運べるような努力をしたい」という思いだけでは、今までやってきたことと大きく変わらないため、列車に乗ることもひとつの旅行・観光として何かできないかということで、観光列車が走り始めました。
地域の特長や観光列車の見所
長良川鉄道は、名前のとおり長良川に沿って走っており、美濃市から郡上八幡の間に大きな橋梁を6個渡ります。
第1から第6まで橋梁があるのですが、第3、4のポイントが短い期間で大きな橋梁を渡るので、今まで流れてきた川の景色が反対側で見られるのがポイントです。列車に乗るだけでも楽しめますが、外から見た景色も楽しめることが大きな特徴です。
桜のシーズンになると景色はもちろん、川では鮎釣りを楽しめたり、鵜と鵜匠が一体となって魚を捕る伝統漁法・鵜飼も体験できます。夏はラフティングやリバーカヤック、リバーダイビングなどの長良川を存分に楽しめます。秋は黄金に染まる田園風景や色鮮やかな紅葉、冬には車窓から雪景色を楽しむスキー・スノーボードファンも訪れています。
『みなみ子宝温泉駅』も帰りの途中下車におすすめです。露天風呂でゆっくりと手足を伸ばして旅の疲れを癒せます。
1日フリーきっぷ(2700円)を販売していますので、ぶらり途中下車を楽しむのも長良川鉄道の一つの魅力です。
また、長良川鉄道で販売を始めたオリジナルグッズとしては、『つめきり』があります。関市では、昔から刀鍛冶の方が活躍してきた流れで刃物屋さんが有名となり、それもお土産にしようとなりました。
SNSで話題沸騰の観光スポットにも好アクセス
近辺の観光スポットでいうと、最近SNSで話題となった、名もなき池(通称:モネの池)もあります。透明度の高いうえに睡蓮がとても美しく、池の中を優雅に錦鯉が泳ぐ姿は絶景です。
アクセスには車が必要ですが、無料で見られるうえ、最近では数多くの観光客が写真を撮っています。睡蓮は6月中旬から7月中旬は花が多くなり、晴天が続く日を狙っていくと池が濁らずに綺麗に見えます。
観光列車・ローカル列車どちらも存在感を発揮する
観光列車ができたことで、多くのお客さんが遠方から来てくださっている実感があります。
経営とは少し違ってくるのかもしれないですが、ローカル鉄道、特に第3セクター鉄道会社としては、やはり沿線の方に「長良川鉄道があってよかったね」「乗ってみたい」と、身近な存在になればと思います。多くの人に長良川鉄道の魅力を知ってもらいたいですね。
また、観光列車ということだけに重きを置かず、ローカル列車らしい企画やイベントも実施していきたいです。両方とも取ることは難しいとはわかってはいますが、少しでも沿線の方に興味を持っていただきたいと思っています。
今後の長良川鉄道の展開に、ぜひ期待していただければと思います。
長良川鉄道株式会社
http://www.nagatetsu.co.jp/
長良川鉄道公式X(旧Twitter)
https://twitter.com/NAGARA_RAILWAY?s=20
長良川鉄道Web Shop
https://www.nagatetsushop.com/