植物肉「ミラクルミート」を開発・製造するDAIZ(熊本市中央区)はこのほど、鶏卵と混ぜてハイブリッド液卵として使用する植物性たん白質由来の液卵「ミラクルエッグ」の開発に成功した。
2024年中に業務用液卵と混ぜるハイブリッド食品として商品化し、総菜や製菓・製パンなどの食品メーカー、一般量販店、外食などへの提供を予定している。
「ミラクルエッグ」は、従来の植物性卵製品の欠点だった「鶏卵と同じ温度・加熱時間で熱凝固しない」「化学原料や添加物が多く異風味がある」といった課題を解決し、鶏卵と混ぜた際に鶏卵のおいしさはそのままに幅広い卵の調理・加工に使用することが可能だという。近年の卵不足・価格高騰の解決にも寄与するとしている。焼く、蒸す、炒める、肉料理や揚げ物のつなぎ、菓子づくりの材料としてなど、幅広い調理に活用可能と訴求する。
DAIZ独自の「落合式ハイプレッシャー法」で発芽させた植物性たん白質を使いうま味を実現。さまざまな植物性たん白質を用いての生産が可能で、大豆・菜種・えんどう豆・緑豆などからでも「ミラクルエッグ」を生産できるとしている。
開発者のDAIZ取締役CTOの落合孝次研究開発部長は、「『ミラクルエッグ』は植物性たん白質の分子構造を独自技術で鶏卵のたん白質に近づけることで鶏卵と同じ加熱時間・温度で固まり、その他の特性も再現している。さらに、化学原料を使用しておらず、鶏卵と混ぜても、調理工程や味に影響を及ぼすことなく、おいしい卵料理を完成させることができる」と話す。
また、DAIZは畜産・水産業と共存する「ハイブリッド戦略」により、2023年7月にセブン‐イレブンのナゲットやツナおにぎりへの植物肉原料の供給も開始した。鶏卵においてもミラクルエッグの市場投入で、国内で約260万t、世界で約8,667万tとも言われる鶏卵市場全体の持続可能性に貢献したいとしている。
〈大豆油糧日報2023年8月18日付〉