〈未来のソース「∧○∧△→」はシャインマスカットを使用、大豆ミートの後味をマスキング〉
オリバーソースは3月1日に創立100周年を迎えた。これを記念し、10年間熟成した香辛料を使ったクラシカルな「1923(ウスター)」とこれまでにない未来のソース「∧○∧△(2023)→」を詰め合わせた「The Answerソースセット」(240g×2、税込3,400円)を8月1日から1000セット限定で、公式オンラインショップ、神戸阪急、大丸神戸店、大丸芦屋店で発売する。
7月25日に本社で記者会見を開いた。道満雅彦社長と道満龍彦取締役企画室長が出席し、伝統の沈殿製法と、同社が培ってきた熟成技術によりおいしいソースを開発し続ける決意を示した。
道満社長は同社の歴史について、「1923年3月1日に法人化されて100年を迎えた。大阪の醤油蔵の次男である祖父の清が立ち上げた。憧れの地である神戸でウスターソースに出会ったことがきっかけだ。1948年に祖父と、父の俊彦とともに、濃厚ソース『オリバーとんかつソース』を開発、それがお好み焼き、焼きそば、たこ焼きソースの源流となった。日本の粉もの文化の発展に大きく寄与したと自負している。ことしはその濃厚ソースが誕生して75周年でもある」と話した。
道満室長は、「The Answerソースセット」について説明した。同社は創業当時から行っているウスターソースの伝統製法である沈殿製法を守り続け、その際に生まれる沈殿物に価値を見出し、それを長期熟成したものをベースとした高付加価値商品「どろソース」を、差別化商品として販売している。また、長期熟成による「クライマックス3年仕込みソースセット」を通販で販売するなど、熟成に強みを持つ。
道満室長は「今回はソースではなく香辛料を熟成させた。12種の香辛料をアップルビネガーに漬けて10年間熟成させたところ、人の手が及ばない“神々の進化”を遂げ、未体験の素晴らしい香りになった。エイジドスパイスビネガーと名付けたこの原料をベースに味の設計を行なった。100年培った技術と歴史を持つソースメーカーが『美味しい』を定義した一つの答えがこの2つのソース」と話した。
創業年を冠した「1923(ウスター)」は、クラシカルな味を追求したウスターソース。原料の野菜は、神戸市産トマトなど国産を使用した。「創業当時は配達帰りの空いたトラックに神戸市産のトマトを積んで帰ってソースに使っていた。古き良き時代を感じてほしい」とした。
未来のソース「∧○∧△(2023)→」は、「法則がわかれば宇宙人でも読める」という独自の文字で「2023」を表した。マスキングといった調味料の機能的な役割を再定義して開発した濃厚ソースで、プラントベースのフライ料理にも合う。新素材を探求した結果、シャインマスカットにたどり着いた。エイジドスパイスビネガーの重厚感とフルーティーでスッキリした味わいが共存。
道満室長は次のように話す。「シャインマスカットを使ったソースは、業界で初めてかもしれない。原価は物凄く高いが、とても美味しいものができた。大豆で作った代替肉のカツにも合う味の設計にした。代替肉を手掛けるメーカーによると、後味の豆臭さが課題だという。シャインマスカットを使った今回のソースは、フルーティーな甘みと、後味に酸味があり、豆臭さを酸味がマスキングするため、非常に相性がいい」とした。
また、「調味料はかつてマスキングなどの機能性で使われていたと考えている。未来の食べ物、例えばコオロギや代替肉の風味の課題を解決する上で、調味料メーカーの出番だと考え、代替肉にフォーカスした」とした。
発売30周年を迎えた「どろソース」については、「2028年に2021年の出荷量から倍増にするプロジェクトを進めている。完全に差別化できている商品。マーケットの可能性はあり、輝かせたい」と話している。