矢野経済研究所
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パーソナルヘルスケアサービスは治療用アプリ化を目指す計画が進められるなど、ヘルスケア領域からメディカル領域までスマートフォンの利用を軸にしたシームレスなサービス展開が進む

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のパーソナルヘルスケアサービス市場を調査し、サービス分野別の動向、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。

1.市場概況

PHR(Personal Health Record)とは「個人が自らの生活の質の維持や向上を目的として、自らの健康情報を収集・保存・活用する仕組み」と定義され、個人の健康・医療・介護を含めた生涯の健康記録の一元管理がPHRの到達点とされる。個人向けのPHRは、スマートフォンアプリとして無料の簡易PHRが広く普及しており、有料サービスとしては専門家によるサービスが受けられるものや、カスタマイズされた情報提供を行うもの、複数のヘルスケアサービス・アプリがパッケージ化されたものなどが展開されている。

最近では、個人向けPHRサービスを展開する事業者が、医療事業への展開に向けて様々な大学と共同研究を行い、治療用アプリを共同開発して臨床研究を進める事例が見受けられる。ヘルスケア領域からメディカル領域まで、スマートフォンの利用を軸にしたシームレスなサービス展開を行う事例が引き続き拡大していく見込みである。

2.注目トピック

自費(保険外)リハビリサービス事業者の様々な他社協業による新たな展開に注目

高齢化社会を背景に、各種の疾患等からの早期回復(社会復帰)のためのリハビリテーションが注目されている。一方、医療保険・介護保険でのリハビリテーションは、疾患別に算定日数の上限が設定され、量・質の課題なども指摘されており、自費(保険外)リハビリサービスを提供する事業者が登場している。

同サービスは個人向けのサービス展開が中心だが、近年は法人向けの展開が活性化しつつある。以前より自費リハビリサービス事業者が他社と協業し、他社にサービス提供する事例は散見されていたが、コロナ禍が沈静化しつつある中でその流れがより加速している。協業先は、自費の介護サービス事業者や高級ホテル、シニアレジデンス、健康経営サービスを提供する企業、保険会社など様々となっており、新たな事業展開として注目される。

それらの法人向けサービスでは、軽傷あるいは一般向けのオンラインリハビリから、より手厚い店舗型のマンツーマンのサービスまで求められるケースがあり、それぞれの顧客ニーズに合わせて各社はサービスを提供している。今後もこのような自費リハビリサービスのBtoB事業は拡大していくことが推察される。

3.将来展望

パーソナルヘルスケアサービス市場は、健康情報管理サービス市場、疾患管理・予防アプリ市場、その他ヘルスケアサービス市場の3分野に大別される。
いずれのサービスも個人向けの課金は割合として小さく、企業向けや医療機関向け、自治体向けのマネタイズが進められてきた。さらに、DTx(治療用アプリ)化[医療機器承認を得て保険適用]を目指し、臨床研究を進めるなどの展開がみられており、新たなマネタイズ手法として注目される。高齢化社会の進展を背景に予防医療への関心が高まり、多くのパーソナルヘルスケアサービスは拡大基調を見込む。

調査要綱


1.調査期間: 2023年4月~6月
2.調査対象: パーソナルヘルスケアサービス参入企業
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用
本調査におけるパーソナルヘルスケアサービス市場とは、健康情報管理サービス市場(個人向けPHR、女性関連PHR、電子版お薬手帳)、疾患管理・予防アプリ市場(生活習慣病管理アプリ、メンタルヘルスケアアプリ、その他疾患領域アプリ)、その他ヘルスケアサービス市場(自費[保険外]リハビリサービス、健康スマートハウスなど)を対象とする。なお、電子版お薬手帳、その他疾患領域アプリ、健康スマートハウスは市場規模を算出していない。
<市場に含まれる商品・サービス>
個人向けPHR、女性関連PHR、電子版お薬手帳、生活習慣病管理アプリ、メンタルヘルスケアアプリ、皮膚科(アトピー等)領域アプリ、認知症領域アプリ、がん領域アプリ、自費(保険外)リハビリサービス、健康スマートハウスなど

出典資料について

資料名2023年版 パーソナルヘルスケアサービス市場の現状と展望
発刊日2023年06月27日
体裁A4 285ページ
価格(税込)154,000円 (本体価格 140,000円)

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