オンラインあと払い決済「ペイディ」の活用法とECサイトへの導入効果を徹底解説!

ネットショッピングを行う際に、スマホひとつで後払いや分割払いを利用できる「ペイディ」。ECサイトにペイディを実装すると、新規顧客を獲得しやすくなったり、売上アップが期待できたりすることから、すでに70万以上のネットショップがペイディを導入しています。

ペイディとはどのようなサービスで、自社ECサイトに導入するとどういったメリットがあるのでしょうか。

その疑問を解消するため、株式会社PaidyのSMB Sales Manager・本多拓人さんをお招きし、ペイディの活用法やECサイトへの導入効果について詳しく解説していただきました。

自社ECサイトの決済手段を拡充し、売上を伸ばしたい事業者さまは、ぜひ参考にしてください。

※本稿は、株式会社フューチャーショップが2023年5月に開催したオンラインセミナー「『あと払いペイディ』を導入したほうがいい理由を徹底解説!」をもとに構成しています

オンラインあと払い決済「ペイディ」の活用法とECサイトへの導入効果を徹底解説!
オンラインセミナーでペイディの活用法や導入効果を解説してくださった株式会社Paidyの本多さん(写真右)。株式会社フューチャーショップの駒井(写真左)がモデレーターを務めた

【この記事を読むと、以下のことがわかります!】

●ペイディの機能と使い方
●ECサイトへの導入手順と、運用の流れ
●ペイディの導入効果
●ペイディの利用料金
●他の後払い決済サービスとの違い
●futureshopの店舗にペイディを導入する方法

オンラインあと払い決済「ペイディ」の活用法とECサイトへの導入効果を徹底解説!
【スピーカー】株式会社Paidy Partner alliance & SMB
Sales Manager 本多拓人 氏
【profile】2014年に新卒でITコンサル会社に就職。その後、PCメーカーへ転職し、SMB領域にて新規開拓チームをリード。2021年より現職。株式会社PaidyではSMB Sales Manager としてセールスを行う傍ら、パートナー企業とのアライアンスにも従事している。
オンラインあと払い決済「ペイディ」の活用法とECサイトへの導入効果を徹底解説!
株式会社Paidyは2008年創業。2014年にあと払いサービス「ペイディ」の提供を開始。2021年には、国内のスタートアップとしては過去最大規模となる3000億円のM&Aでペイパル傘下に入った。(画像は株式会社paidyの公式サイト トップページ)

目次

  1. オンラインあと払い決済「ペイディ」とは?
    1. アプリを使えば「分割払い」も分割手数料無料で利用できる
    2. アプリなら与信枠が拡大、クレジットカード(ペイディカード)利用も可能
    3. ペイディの利用者は25〜44歳がボリュームゾーン
  2. ペイディの入金サイクルと加盟店手数料
    1. 手数料率は3.5%から。初期費用と月額費用は無料
  3. 他の後払いサービスとペイディの違い
    1. ペイディは「Buy Now Pay Later(BNPL)」
  4. ペイディをECサイトに導入するメリット
  5. futureshopのECサイトにペイディを導入する手順
    1. 【ペイディ設定の手順】
  6. ペイディの活用法をQ&Aで深掘り
  7. まとめ

オンラインあと払い決済「ペイディ」とは?

ペイディは、株式会社Paidyが提供しているあと払い決済サービスです。ECサイトで買い物をするとき、ペイディを使うと、メールアドレスと携帯電話番号だけで決済が出来、お支払いはまとめて後からしていただくことができます。

事前の会員登録やクレジットカード登録も不要。クレジットカードを持っていない、あるいは使いたくない消費者でも、簡単にあと払い決済を利用できるのがペイディです。

ECサイトで決済する際は、ショート・メッセージ・サービス(SMS)を使って本人確認(4桁の認証コードの入力)を実施します。与信審査もリアルタイムで行い、即座に審査を完了。請求書をデジタルで発行するなど、あと払い決済がオンラインで完結するのもペイディの特徴です。

ペイディの利用者(エンドユーザー)は、1カ月分の買い物の代金を翌月にまとめて支払います。支払い方法は「コンビニ払い」「銀行振込」「口座振替」の3種類。翌月の1〜3日の間に請求書が利用者宛にeメールとSMSで送られてくるので、10日までに代金を支払います※1。

※1 futureshopのECサイトにおけるフロー

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ペイディであと払い決済を利用する流れ(futureshopのECサイトにおけるフロー)

アプリを使えば「分割払い」も分割手数料無料で利用できる

ペイディはアプリで利用することもできます。スマホにアプリをダウンロードし、運転免許証やマイナンバーカードで本人確認を行えば、分割払い(3回払い・6回払い・12回払い)を分割手数料無料で利用することが可能です。

分割払いを利用する際は、ECサイトの支払い画面で「あと払い(ペイディ)」を選択後、希望の支払い回数を選びます。もしくは、1回払いで注文を確定させた後に、アプリで支払い回数を変更することも可能です。

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ペイディのアプリで分割払いを利用する流れ(futureshopのECサイトにおけるフロー)

分割払いを利用した場合、支払いは翌月、2ヶ月後、3ヶ月後といった具合に毎月発生します。なお、ペイディの利用者が分割払いを選択した場合でも、加盟店への入金は翌月に一括で行われますので、加盟店は資金繰りの悪化を心配する必要はありません。

また、分割払いを利用した場合の1回あたりの支払い金額を、ECサイトの商品ページに表示することも可能です。ウィジェットを表示するためのコードを埋め込むと、月々の支払額が自動的に計算され、ECサイトに表示されます。

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月々の支払額を自動計算で表示する、futureshopの「ペイディ分割払いアップセルウィジェット」。 ペイディを導入した加盟店は、このウィジェット機能を無料で利用することができます。
商品ページ上で、従来「価格」で離脱させてしまっていたユーザーを獲得できたり(CVRアップ)、ワンランク上の商品に「アップセル」や、まとめ買い需要である「クロスセル」につなげることができ、購入単価アップにも期待いただけます。

株式会社Paidyは約3年前、日本の後払い事業者では初めて、無金利の3回分割払いを開始しました。今では、ペイディの取扱高における約4割を3回払いが占めるほど、人気のサービスになっています(本多さん)

【分割払いの利用条件】
●3回払いは、1回の利用金額が3,000円以上
●6回払いは、1回の利用金額が6,000円以上
●12回払いは、1回の利用金額が12,000円以上
●分割手数料無料は銀行振込・口座振替のみ

アプリなら与信枠が拡大、クレジットカード(ペイディカード)利用も可能

ペイディのアプリを利用すると、与信枠の上限が30万円まで引き上げられます。アプリ未使用の場合の与信枠は、利用者によって異なり、買い物の都度与信が行われます。

また、使い過ぎを防ぐ「予算設定機能」や、ナンバーレスのクレジットカード「ペイディカード」など、アプリにはさまざまな機能が備わっています。

ペイディの利用者は25〜44歳がボリュームゾーン

本多さんは、ペイディの利用者の年齢層は25歳から44歳がボリュームゾーンであることに触れ、「この年齢層をターゲットにしている店舗さんはペイディとの相性が良い」と強調しました。

また、ペイディの利用者拡大に向けた取り組みとして、若年層に人気のアーティストを起用した広告を展開していることも紹介。「イノベーターやアーリーアダプターになるような世代の方たちに対して、積極的にプロモーションを実施し、認知度を高めている」と説明しました。

ペイディの入金サイクルと加盟店手数料

株式会社Paidyから加盟店(EC事業者)への入金サイクルは、月末締めの翌月20日払いです。ペイディ経由で1カ月間(月初から月末まで)に確定した販売金額の総額を、翌月20日に入金します。

なお、ペイディの利用者が代金を支払ったか否かにかかわらず、株式会社Paidyは加盟店への入金を実行するため、加盟店は未回収リスクがありません。

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手数料率は3.5%から。初期費用と月額費用は無料

加盟店が支払う手数料は、ペイディの利用者が選択した「支払い回数」に応じて決まります。1回払いは売上金額の3.5%、3回払いは売上金額の4.5%、6回払いは売上金額の5.5%、12回払いは売上金額の6.5%です。なお、初期費用や月額費用、トランザクション費用は無料です。

導入コストはゼロ、ランニングコストもかかりません。しかも、契約期間の縛りもないんです。ECで売上を拡大するにあたり様々な施策があるとは思いますが、ペイディは非常に費用対効果が高い施策ではないかと自負してます(本多さん)

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他の後払いサービスとペイディの違い

本多さんは、他の後払いサービスとペイディの違いについて、「入金サイクルや手数料、月額費用、請求書の発行方法、分割払いの方法、利用限度額など、さまざまな点に違いがある」と説明し、比較表も使いながらペイディの特徴を説明してくださいました。

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ペイディは「Buy Now Pay Later(BNPL)」

ペイディは、広義では後払い決済に含まれますが、主に海外では「BNPL(Buy Now Pay Later)」と呼ばれるサービスです。

本多さんはBNPLについて「デジタルで完結し、無金利で後払いや分割払いを利用できるサービス」と説明。BNPLの将来性について、「日本の後払い市場規模は年間約1.4兆円で、2026年には2兆円に拡大する見通し」であることを紹介し、「日本におけるBtoC-EC市場の成長スピードよりも早い」と強調しました。

後払いの市場規模は2026年に約2兆円に拡大する見通しです。その年間平均成長率は、国内のBtoC-EC市場を上回っています(本多さん)

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ペイディをECサイトに導入するメリット

ECサイトにペイディを導入すると、EC事業者さまにとってどのようなメリットがあるのでしょうか。本多さんは主なメリットとして次の4つをあげました。

1.コンバージョン率アップ
クレジットカードを持っていない消費者や、クレジットカード番号をECサイトに入力したくない消費者でも、ペイディを使えばあと払いで買い物をすることができます。そのため、ECサイトにペイディを導入すると「今すぐ欲しい商品があるのに、使える現金が手元になく、クレジットカードも持っていない」といった消費者のカゴ落ちを防ぐことができます。

また、上記で紹介した、商品ページに表示可能なウィジェット機能を活用することで、価格のみの理由で離脱させてしまっていたユーザーを、コンバージョンさせることが可能となっていることも他社にない大きな特長です。

さらに、クレジットカード情報をECサイトに入力する必要がないため、ペイディの利用者はカード情報の漏えいを心配する必要がありません。そのECサイトで買い物をすることへの心理的ハードルが下がり、新規顧客が買い物をしやすくなります。

このように「カゴ落ち防止」と「安心感」という2つの要因によって、ECサイトのコンバージョン率アップが期待できます。

2.客単価アップ
ペイディなら分割払いを無金利で利用できます。手元にまとまったお金がないときでも、分割払いを利用すれば高額商品を購入しやすくなります。こちらも、商品ページに表示可能なウィジェット機能を活用することで、まとめ買いの促進(クロスセル)や、もう少し高い物への変換(アップセル)に繋げることが可能となっており、そのため、ペイディをECサイトに導入すると高額商品が売れやすくなり、客単価の向上が期待できます。

3.業務効率化
ペイディの利用者に対する代金回収業務は、株式会社Paidyが行います。加盟店(EC事業者)は請求書発行や入金状況の確認、未払い顧客への督促などを行う必要はありません。決済にまつわる業務を削減することで、業務効率化を図ることができます。

4.未回収リスクがない
ペイディの利用者が商品代金を支払ったか否かにかかわらず、株式会社Paidyが商品代金を加盟店に入金するため、加盟店は未回収リスクがありません。また、ペイディではビッグデータを活用した独自のロジックによって、注文ごとに与信審査を行っています。不正注文の被害に遭いやすい高額商品などは、ペイディを活用することで被害を防ぐ効果も期待できます。

futureshopのECサイトにペイディを導入する手順

ここからは、futureshopをご利用中の店舗さまがペイディを導入する手順について解説します。

futureshopとペイディは連携済みですので、futureshopをご利用中の店舗さまは、オプションでペイディをご契約いただけば、個別開発や難しい設定を行うことなくECサイトにペイディを導入することができます。

【ペイディ設定の手順】

(1)ペイディを申し込む:株式会社Paidyの申込フォームから「ペイディ」の利用を申し込んでください。

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https://paidy.com/merchant/register/basic-business

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(2)futureshopとペイディの連携設定:futureshopの受注データをペイディに連携するための設定を、futureshopの管理画面で行います。また、決済画面に表示する文章や購入者に送信するメールの文面なども、futureshopの管理画面で設定します。

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(3)利用開始:futureshopの管理画面で「設定」→「決済」→「決済一覧」→「あと払い(ペイディ)設定」と進み、「利用する」のチェックをONにすればペイディを利用できます。

futureshopのECサイトにペイディを導入する方法の詳細は、futureshopのオンラインマニュアルにも記載しています。導入をご検討中の店舗さまはオンラインマニュアルも参考にしてください。

オンラインあと払い決済「ペイディ」の活用法とECサイトへの導入効果を徹底解説!
Paidy設定|SaaS型ECサイト構築プラットフォームはfutureshop

ペイディの活用法をQ&Aで深掘り

オンラインセミナーの後半では、本多さんと株式会社フューチャーショップ・駒井のディスカッション形式で、ペイディの活用法をさらに深掘りしました。聴講者の方々から寄せられた質問にも本多さんがその場で回答し、ペイディで買われやすい価格帯や与信限度額の目安、注文後の金額変更の方法なども解説してくださいました。

【質問1】利用者の与信限度額を、どのように設定しているのでしょうか?

本多さん:買い物の履歴など、さまざまな情報にもとづいて与信限度額を設定しています。通常のペイディではお買い物ごとに都度与信を行います。アプリ登録し本人認証を行うと与信限度額は最大30万円です。

【質問2】注文確定後に、ペイディの決済金額を変更することはできますか?

本多さん:条件はありますが減額も増額も可能です。

売上確定(入金処理)前であれば減額も増額も可能です。売上確定(入金処理)後は「ペイディ管理画面」では部分返金(減額)が可能です。増額はできません。

販売金額を減額する際は、futureshopの管理画面で当該注文を選択し、販売金額を変更してください。詳しくはfutureshopオンラインマニュアルの「金額変更について」をご覧だくさい。

【質問3】予約販売にペイディを使うことはできますか?

本多さん:予約販売にもペイディを利用できます。与信枠は注文後30日間有効です。出荷日が注文後30日以降になる場合は、弊社にご相談いただければ柔軟に対応します。

【質問4】ペイディと相性の良い商品単価は、いくらでしょうか。

本多さん:傾向としては、1回払いのご利用では商品代金1万円前後まで、3回分割払いのご利用では商品代金3万円前後までが多いです。月々の支払いを1万円以内に抑えたいと考える利用者が多いようです。

【質問5】ペイディは、Gmailなどのフリーメールでも利用できますか?

本多さん:フリーメールでも利用できます。

【質問6】購入者がポイント(※futureshopのポイント機能)を利用した場合、ペイディを利用できるでしょうか。

本多さん:利用できます。販売金額からポイント相当額を差し引いた金額が請求されます。

【質問7】注文後30日以内に、futureshopの管理画面で売上処理を行わなかった場合、注文は自動的にキャンセルになるのでしょうか。

本多さん:与信枠が失効してしまうため、キャンセルになります。

【質問8】商品を出荷する前に、ペイディ経由の売上を確定することはできますか?

本多さん:可能です。ただし、商品が届く前に請求が購入者に届く可能性があるため、行き違いによるトラブルに注意してください。

オンラインあと払い決済「ペイディ」の活用法とECサイトへの導入効果を徹底解説!
聴講者の方々から寄せられた質問に、本多さんがその場で回答した

まとめ

今回のオンラインセミナーでは、ペイディの活用法や導入メリットについて、本多さんに詳しく解説していただきました。ECサイトのカゴ落ち防止や注文単価アップ、業務効率化など、ペイディにはさまざまなメリットがあることをご理解いただけたのではないでしょうか。

futureshopシリーズはペイディと連携済みですので、futureshopをご利用中の店舗さまは個別にシステム開発を行うことなく、ECサイトにペイディを導入することが可能です。ECサイトの売上アップを図る施策の1つとして、決済手段の拡充をご検討中の店舗さまは、お気軽にお問い合わせください。

futureshopに連携済み!ペイディの詳細はこちらをご覧ください。

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株式会社フューチャーショップは今回のオンラインセミナーの他にも、EC事業者さまの売上拡大に役立つセミナーや勉強会を随時開催しています。futureshopをご利用中の店舗さまを対象とした「futureshop アカデミー」や、どなたでもご参加可能な「オープンセミナー」など、ECの基礎から最新トレンドまで学ぶことができる「ラーニングプログラム」については下記ページをご覧ください。

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