(本記事は、加賀田 裕之氏の著書『図解でよくわかる! 営業は台本が9割』=きずな出版、2022年8月27日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
成約率を80%にするための5ステップ
モノを落としたら、「 万有引力 の法則」が働くように、人が物を買いたくなる絶対的な原理原則・購買心理(こころの法則)が存在します。
そのステップは「5つ」です。
・ステップ❶「人間関係構築」
・ステップ❷「ニーズの深掘りとウォンツアップ」
・ステップ❸「商品説明」
・ステップ❹「クロージング」
・ステップ❺「反論解決」(反論処理)
無理なく堅実に成約まで到達できる
人間関係を構築しないでいきなり「商品説明」をしたら、お客様はどう思うでしょうか?
「お前、売りつけに来たな!」となり、心を閉ざしてしまうでしょう。
ですから人間関係をしっかり構築し、ニーズを深掘りし、ウォンツを描かせて、商品説明で購入した先の未来の可能性を描かせる。
そしてクロージング、反論解決というステップが「購買心理(こころの法則)」に基づく成約の公式です。
各ステップができたら、扉の鍵が開いて、次のステップに行くイメージです。
では、次の項からそれぞれのステップを簡単に説明していきます。
ステップ❶~❸ 「人間関係構築」「ニーズの深掘りとウォンツアップ」「商品説明」
Webの普及と「特定商取引法」の改正が進み、消費者保護の流れが進んだため、強引な商談は成立しなくなりました。
ですので、いまの商談は「人間関係」を構築することがより重要になったのです。
これがステップ❶になります。「人間関係構築」については、第3章で詳しく伝授します。
続いて、ステップ❷は「ニーズの深掘りとウォンツアップ」です。
「いますぐ本気で変えないとダメだ」という状態にさせるのが「ニーズの深掘り」。
「その商品が欲しくて欲しくてたまらない」という状態にするのが「ウォンツアップ」。
つまり、「ニーズの深掘り」で「地獄」を見せ、「ウォンツアップ」で「天国」を見せます。
そして、この「ニーズの深掘り」が台本営業®メソッドの「最大の特長」です。
アメリカ発・商品説明の「最強の公式」
ステップ❸は、「商品説明」です。
ニーズの深掘りとウォンツアップまでが完了したら、いよいよ商品説明に入ります。
じつは「商品説明」には「FABEC(ファベック)の公式」という素晴らしい公式があります。
これは、セールスの先進国アメリカで開発された非常に素晴らしい法則ですので、第5章でお伝えします。ご期待ください。
ステップ❹ 「クロージング」ステップ❺ 「反論解決(反論処理)」
「クロージング」で誘導する
あなたがお客様に理解してもらおうとしたり、納得してもらおうとしているようならば、営業に苦戦しているはずです。
そうではなく、営業は「誘導」であると考えてください。
・説明→理解
・説得→納得
・誘導→お客様が自ら「欲しい」と選ぶ
人は押し付けられると拒否しようとしますが、選択となると、どれかを選ぼうとする習性を持っています。人間の心理として自分で決めたいという欲求があるのです。
選択肢を提示することで、「自ら選ぶ」という満足感を与えることができます。
これらステップ❹のクロージングの「極意」について、詳細は第6章で伝授します。
続いてステップ❺です。
新人セールスマンや営業未経験の商売人・起業家からよく聞く悩みは、
「お客様から『検討したいんです』と言われて何もできず、失注してしまうんです」
というものです。
たとえクロージング後でも、お客様は購入の意思を固めていないことも多く、提案に対して「質問」を示すこともあります。
「ただの質問」であるにもかかわらず、「反対された」と思ってあきらめてしまうのは、もったいないことです。
ですので「質問(反論)が来て当たり前だ」という心構えを持ち「反論解決(反論処理)」の用意をしておきましょう。
反論解決のステップは4つです。
①質問する→検討の状況を明らかにする
②共感し、ほめる→営業マンの話を「聞く態勢」をつくる
③提案する→わかりやすいメリットを感じる提案
④明確な理由付け・具体例→明確な理由とわかりやすい具体例で「納得」してもらう
以上の4ステップの後に、もう一度クロージングするという流れを繰り返すのです。
「ちょっと考えたいです」と言われたら反論解決・反論処理をするという流れです。
詳しくは第7章でお伝えします。
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