(本記事は、加賀田 裕之氏の著書『図解でよくわかる! 営業は台本が9割』=きずな出版、2022年8月27日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
「3K」の営業指導では、売れない
営業指導の「3K」とは「気合・根性・カン」です。
あなたは、非論理的で体系化されていない3Kの指導に不満を持っていませんか?
いまでも忘れられませんが、営業職に転職したときの最初の上司から「営業は人間力だ!(ドヤ顔)」と言われて、「人間力ってどうやって鍛えたらいいの?」と、私は途方に暮れたことがあります。
これはあなたが悪いのではありません。
たとえば、いきなり「飛行機を操縦してください」と言われても、できませんよね。「日常会話」も「営業」も、口を使ってしゃべっているので、同じように考えがちですが、じつはまったく違うものなのです。
営業成績が上がると、人生の主導権が握れる
私は大学を卒業後、予備校での講師を経て、携帯電話事業者等の教育コンサル会社でショップスタッフなどに教育研修を実施していました。ずっと教育に携わってきましたが、
ある出来事から
「生きていくには営業力が必要だ!」
と強い思いを抱くことになり、年商100億円超の自己啓発会社に、営業職として転職しました。世界最大の自己啓発会社でしたから、さぞ営業教育もしっかりしているだろうと期待して入社しました。
しかし、実際は体育会系の上司が「営業は人間力だ!」と抽象的な説教をするだけで、理論的なセールススキルを教えられることはありませんでした。
「お客様の気持ちを理解するには、感覚が鋭くなければいけない。だから、歩くときの足の裏を意識しろ」という、非論理的なアドバイスもありました。1か月、2か月とまったく売れず、上司から罵倒され続けました。
営業成績の不振で、心身に不調をきたす
そんなある日、喉の異変を感じました。喉が焼けるように痛くなったのです。同僚に話したところ、「それって食道がんじゃない?とにかく病院に行け!」と言われました。
幸い、食道がんではなく「逆流性食道炎」でしたが、追い詰められた私は自社で販売していた250万円の商材を自腹で、5年ローンで購入してしまったほどでした。
その後3か月経っても売れず、退職届をスーツに忍ばせていたのですが、あるキッカケでトップセールスに好かれ、彼の営業手法を知ることができたのです。彼の営業に同行させてもらい、トークを録音し、何度も繰り返し聞き、文字に起こして、「営業の体系化」を試みました。
驚くべきことに、彼は日本では知られていないある「特殊な理論」に基づいた営業をしていたのです。
私は繰り返し聞くことで、その手法を理解し、自分でも使い始めた結果、優秀な営業成績を叩き出すことに成功したのです。
コミュニケーションで大事なのは「誰が話すか?」「何を話すか?」「どう話すか?」の3つですが、最新の購買心理(こころの法則)を活用することで、「何を話すか(営業台本の改善)」と「どう話すか(話し方の改善)」は、誰でもできると理解したのです。
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