疲れた表情をしている部下へ「疲れてる?」はNG デキる上司の声かけは?
(画像=GradyR/peopleimages.com/stock.adobe.com)

(本記事は、吉田 幸弘氏の著書『共感されるリーダーの声かけ 言い換え図鑑』=ぱる出版、2023年6月24日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

疲れた表情をしている部下へ

共感されるリーダーの声かけ 言い換え図鑑
(画像=『共感されるリーダーの声かけ 言い換え図鑑』より)

リーダーAさんは疲れた表情をしているIさんのことが気になっていました。そこで、Iさんを気遣うつもりで「疲れてる?」と声かけします。

Iさんからの返事は「はい。でも大丈夫です」でした。部下に「疲れている?」と聞いても、よほど気を許していない限りは「大丈夫です」としか言ってこないでしょう。

部下に声かけした後も、疲れた表情が気になるAさん、どんな声かけをすればよかったのでしょうか。

実はIさんはお父様の介護のために、毎週末に盛岡まで帰っていました。また、ケアセンターから連絡が入ることもあったようです。

今は核家族化・高齢化が進み、介護や子育てと仕事を両立している方が多くなりました。他にも自分自身が何か病気を抱えているといったケースもあります。当然このような込み入った話は、リーダーも触れない方がいいと言えます。

しかし、業務上知っておいたほうがいいこともありますし、部下としては伝えておきたいと思っているかもしれません。ですから、「何か私が知っておいたほうがいいことってある?」「何か困っていれば相談に乗るよ」とあまり深い詮索はせずに声かけだけしておきましょう。

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吉田 幸弘(よしだ・ゆきひろ)
リフレッシュコミュニケーションズ代表
コミュニケーションデザイナー・人材育成コンサルタント・リーダー向けコーチ

成城大学卒業後、大手旅行会社を経て学校法人へ転職。1年間で70件以上の新規開拓をし、広報リーダーになるも、「怒ってばかりの不器用なコミュニケーション」でチームをガタガタにしてしまう。その結果、職場を去らなければならない羽目になり、外資系専門商社に転職。 転職後も、周囲のメンバーとうまくコミュニケーションが取れず、降格人事を経験し、クビ寸前の状態になる。その後、異動先で出会った上司より「伝え方」の大切さを教わり、ポイントを絞ってわかりやすく伝える方法を駆使し、営業成績を劇的に改善。5か月連続営業成績トップになり、マネジャーに再昇格。コーチングの手法を用いた「部下を承認するマネジメント」及び中国古典をベースにした「ストレス耐性力アップ術」により、離職率をそれまでの10分の1にし、売上も前年比20%増を続け、3年連続MVPに選ばれる。そして、社外でもコンサルタントとして活動し、クライアント数が増えてきたため、2011年1月に独立。
現在は経営者・中間管理職向けに、人材育成、チームビルディング、売上改善の方法を中心としたコンサルティング活動を行い、累計受講者数は3万人を超える。「管理職研修」をはじめ、「営業力アップセミナー」「褒め方・叱り方・伝え方をベースにしたコミュニケーションセミナー」「モチベーションアップセミナー」「アンガーマネジメントの理論をベースにした感情マネジメントセミナー」「リーダーの総合力をアップするリーダー塾」などを主催。
著書に、ロングセラーとなっている『リーダーの一流、二流、三流』(明日香出版社)などがある。

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