上司が間違っていたときに部下に言うべきこと、言ってはいけないこと
(画像=Reese/peopleimages.com/stock.adobe.com)

(本記事は、吉田 幸弘氏の著書『共感されるリーダーの声かけ 言い換え図鑑』=ぱる出版、2023年6月24日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

謝罪できるリーダーvs謝らないリーダー

共感されるリーダーの声かけ 言い換え図鑑
(画像=『共感されるリーダーの声かけ 言い換え図鑑』より)

リーダーAさんは部下に頼んだ資料の作成期限が今日までだと思っていました。しかし、部下に確認したところ、明日までなのでまだ作成中だと言います。確かにメールを確認したら、明日になっています。2週間前にメールで送ったきりだった点も問題ですが、Aさんは「まあ、1日しか違わないし、頼むぞ」と言ったきりデスクに戻っていきました。

このリーダーの行動に対し、部下のCさんはイライラしていました。ちょうど来週のコンペの企画書作成中で、いい案が浮かびかけていたところだったからです。

実はAさん、他の部下たちからも信頼されていませんでした。自分が間違っていても謝らず、場を適当に濁してしまうことが多かったからです。たとえば、年度の予算。チームで設定したものに対し、役員会議で上方修正を余儀なくされた場合も、「まあ、役員会が言うから仕方ない。仕事なんだからやるしかない」としか言いません。

前のリーダーBさんは、自分に誤りがあれば「間違っていて申し訳ない」と言うし、予算が上方修正されたときも「○○部の新規投資の部分も俺たちがカバーしなくてはならない。予算が変わって申し訳ない」と謝りました。だからこそ、「いや、リーダー頑張りましょう」と皆が一丸となって頑張ることができました。

リーダーだって人間。間違うこともあるでしょう。大事なのは間違った場合、認めて謝ることができるかどうかです。謝ることができるリーダーは信頼されます

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吉田 幸弘(よしだ・ゆきひろ)
リフレッシュコミュニケーションズ代表
コミュニケーションデザイナー・人材育成コンサルタント・リーダー向けコーチ

成城大学卒業後、大手旅行会社を経て学校法人へ転職。1年間で70件以上の新規開拓をし、広報リーダーになるも、「怒ってばかりの不器用なコミュニケーション」でチームをガタガタにしてしまう。その結果、職場を去らなければならない羽目になり、外資系専門商社に転職。 転職後も、周囲のメンバーとうまくコミュニケーションが取れず、降格人事を経験し、クビ寸前の状態になる。その後、異動先で出会った上司より「伝え方」の大切さを教わり、ポイントを絞ってわかりやすく伝える方法を駆使し、営業成績を劇的に改善。5か月連続営業成績トップになり、マネジャーに再昇格。コーチングの手法を用いた「部下を承認するマネジメント」及び中国古典をベースにした「ストレス耐性力アップ術」により、離職率をそれまでの10分の1にし、売上も前年比20%増を続け、3年連続MVPに選ばれる。そして、社外でもコンサルタントとして活動し、クライアント数が増えてきたため、2011年1月に独立。
現在は経営者・中間管理職向けに、人材育成、チームビルディング、売上改善の方法を中心としたコンサルティング活動を行い、累計受講者数は3万人を超える。「管理職研修」をはじめ、「営業力アップセミナー」「褒め方・叱り方・伝え方をベースにしたコミュニケーションセミナー」「モチベーションアップセミナー」「アンガーマネジメントの理論をベースにした感情マネジメントセミナー」「リーダーの総合力をアップするリーダー塾」などを主催。
著書に、ロングセラーとなっている『リーダーの一流、二流、三流』(明日香出版社)などがある。

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