(本記事は、児玉 克順氏(著)、fancomi氏(イラスト)の『世界でいちばんやさしい 教養の教科書[人文・社会の教養] (Re Seriesまなびを、もういちど。) 』=学研プラス、2023年2月24日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
資本主義と社会主義
ー二つの大きな経済システムが対立したー
ここでは、いったん資本主義の流れから離れて、 社会主義の流れを簡単におさえておきます。社会主義自体の考え方は昔からありますが、それを広く知らしめて大きな思想にしたのはマルクスでした。
①資本主義と社会主義
資本主義社会に修正主義が生まれる一方で、お金持ちがよりお金持ちになり、貧しい労働者は貧しいままという資本主義自体に真っ向から反する経済システムが登場します。19世紀より社会主義が唱えられ、第二次世界大戦後の世界は資本主義体制の国と社会主義体制の国に分かれていきました。
②社会主義の崩壊
共産主義の経済システムは、理想的です。ですが、人間社会という現実は、理想通りにはいかないものでした。
このように、ある意味「理想的」すぎた社会主義は、社会に根付くことなく終わりを迎えました。
新たな資本主義のあり方
ー自由主義経済と国家のかかわりー
さて、資本主義の話に戻り、今度は現代の資本主義の流れを追いかけていきます。これを読むと、歴史というものはくり返されてしまうものだと分かると思います。近代と非常に似た状況に 陥 ります。
①自由主義ふたたび
20世紀後半になると、国家が経済活動に積極的に関与するケインズ主義に反発して、ふたたび国家の介入を極力排除した、自由で柔軟な経済活動が尊重されるようになりました。これを新自由主義といいます。
②新たな資本主義のあり方
また、同じく20世紀後半になると、先進国ではモノの豊かさが社会全体に行き届き、もはやただのモノでは売れなくなります。そこで商品に、新たな「付加価値」が必要になります。
これは「小さな物語」の ポストモダン状況とも重なります。様々なライフスタイルに合わせて、様々な付加価値のある製品を多種類用意する必要が出てきたのです。多種少量生産の時代に突入です。
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