病院グループの病院数は1,246施設で、わが国の病院総数の15.2%を占める
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内の病院グループを調査し、病院グループの事業環境、運営実態、収益性を明らかにした。
1.調査結果概要
本調査では3施設以上の病院を保有する団体を病院グループとした。これらの病院グループを構成する病院数は1,246施設で、わが国の病院総数8,180施設(2022年3月時点の厚生局公開情報)の15.2%を占めるに至った。また、これら病院の病床数は25万452床で、総病床数147万5,366床(同前)の17.0%を占めている。内訳をみると、一般病床はグループ病院が13万9,550床で全体の15.9%を占めている。療養病床についてはグループ病院が7万558床で全体の25.4%を、精神病床はグループ病院が3万9,360床で全体の12.6%をそれぞれ占める結果となった。 また経営状況については、総資産額(2020年度)をみると、徳洲会、IMS グループの明芳会と明理会、愛仁会グループの愛仁会、石心会グループの石心会等が上位に位置する。明芳会は1,000億円超と拡大した。
2.注目トピック
地域での存在感向上
グループ病院(施設)の分布を都道府県別にみると、東京が173施設(630施設中27.5%)で最多であり、これに大阪103施設(509施設中20.2%)や神奈川96施設(336施設中28.6%)が続く。人口が集積する首都圏・大都市圏に、病院グループの施設のおよそ半数が集中している。
エリア戦略的にみると、病院グループの多くは拡大範囲を一定の地域を中心とする地域型といったようなタイプと、全国や人口多数地域にかけて展開を図る広域型というようなタイプに大別できる。病院グループの多くは地域型とみられるが、地域包括ケアなどの政策状況も背景として、医療・介護において地域を強く意識した連携強化を図っている。これは病院グループの多くが自己完結型ではないことも要因の1つといえるであろう。地域医療連携部門を強化し、他院・他施設からの紹介率向上を図るに留まらず、地域内の他施設との連携を深め、逆紹介率アップにつなげていく動きも活発化の傾向がみられる。
調査要綱
1.調査期間: 2022年4月~12月 2.調査対象: 行政当局、医療機関、学識経験者等 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査(地方厚生局の各種公開資料、自治体等への情報公開請求等)および弊社DBを利用 |
<病院グループとは> 本調査においては、3施設以上の病院を保有する団体を病院グループとし、公的・準公的な病院を除く。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 病院、医療 |
出典資料について
資料名 | 2022年版 病院グループの将来展望 |
発刊日 | 2022年12月20日 |
体裁 | A4 369ページ |
価格(税込) | 165,000円 (本体価格 150,000円) |
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