全国醤油工業協同組合連合会(全醤工連)は通常総会を都内で5月24日開き、2022年度事業報告・決算を原案通り決めた。また、しょうゆ輸出の拡大による業界の持続的発展を目的に、輸出拡大推進委員会の設置を決めた。
任期満了に伴う役員改選では、新会長に正田隆副会長(正田醤油社長、群馬県醤油味噌工業協同組合理事長)、新副会長に中村光一郎・愛知県味噌溜醤油工業協同組合理事長(イチビキ社長)を選任した。
10年間会長を務めた三林憲忠・三重県醤油味噌工業協同組合理事長(ヤマモリ会長)は顧問に就任、宮島清一副会長(宮島醤油会長、佐賀県味噌醤油醸造協同組合理事長)と河盛幹雄副会長(大醤社長、中央醤油工業協同組合理事)は留任する。
総会後の懇親会で、三林前会長は退任にあたり、「10年会長を務めさせていただいた。皆様方の絶大なるご協力により、任を終えられたことを感謝申し上げる。正田新会長は絶妙のバランス感覚で、業界をリードしていただけるものと確信している」と述べた。
正田新会長は就任あいさつで「三林前会長が築かれた10年、コロナ禍で環境が大きく変化した。このタイミングでバトンを渡されたということは、ウイズコロナ・アフターコロナを業界としてどう考えるのか、それが課題と思っている。全国約1,200社のしょうゆメーカーの声をうまく取り入れながら、連合会を運営できればと思う。微力ながら業界発展に頑張っていきたい」と述べた。
また、事務局からの報告事項では、インド産醸造用大豆ミールの動向について、2022年秋のトンあたり13万~14万円の高値圏が2022年末から軟化に転じ、2023年2月~3月には10万円台まで値下がりしているとした。要因は、2022年産インド産大豆の豊作とシカゴ大豆相場の段階的な値下がり、生産者売りの拡大。他方でインドは、東南アジア・欧州向けに飼料用大豆ミールの輸出拡大を図っており、今後のミール価格は底堅く推移するとの見通しを示した。
〈大豆油糧日報2023年5月26日付〉