ヤマキ醸造「とうふのマヨ」
(画像=ヤマキ醸造「とうふのマヨ」)

素朴なネーミングとシンプルなパッケージでありながら、高級感も漂うヤマキ醸造の「とうふのマヨ」。内容量150g、税込734円。埼玉県児玉郡神川町の本社に隣接する直売所では、開店してからあっという間に完売になるという。

展示会や直売店の売れ行きを見てから、量産化を決める予定だったので、現在は限られた個数しか販売できないが、それにしても上々の売れ行き。予約して帰る来店客もいるという。

品質保証部の髙田早紀さんが企画発案者。「豆腐の消費減少に伴い、消費をさらに増やすために企画、開発した。豆腐を違う形にして届けたい。豆腐の生産過程でロスになるものがある。フードロス削減も考えて、豆腐の二次加工として発案した」。

豆腐の消費を考えた商品が、フードロス削減につながり、サステナブルな商品としての価値も併せ持つ。卵アレルギーにも有効で、原材料は、豆腐、菜種油、米酢、食塩、砂糖のみなので、ヴィーガン、ベジタリアンにも薦めることができる。

「豆腐から作るマヨネーズは調べた限り存在しないようだった。開発には10カ月かかった。レシピを変えながら試行錯誤を繰り返した。原材料はシンプルで添加物も使用しないので、配合が一番難しかった」

そして、ようやく、量産化への準備も始まった。パッケージにはカロリー表示など特徴をアピールするために表示面積を拡大するという。一番おいしい食べ方は、「ゆでた野菜につけるのが一番おいしい」。高田さんの自慢気な顔が印象的だ。

ヤマキ醸造は創業120年の歴史があり、こだわりのみそやしょうゆを作り続けてきた。とりわけ、国産有機大豆にこだわり、大豆の生産から自慢のみそやしょうゆを作り出す。そんなこだわりを知っているお客さんから、国産有機大豆を使った豆腐を食べてみたいという要望から、豆腐を作ることになったという。豆腐は生産を開始して30年が経つ。

みそやしょうゆの醸造をやりながら、豆腐の製造もやる。消費者の要望に応えたいという一心から、今の経営の形が出来上がったとする。

本社や工場は山間の中にあるが、都心や地方から買い付けに来る人が長年通い続けている。「とうふのマヨ」も多くのリピーターを惹きつけるこだわり食品の1品に加わるのも間違いない。

〈大豆油糧日報2023年5月24日付〉