ポータブル電源の寿命を徹底解説! 寿命を伸ばす「コツ」や使う際の「注意点」。オススメのポータブル電源5選も

ポータブル電源を選ぶ基準の一つに「寿命」があります。

寿命の目安として充放電サイクル500回〜3,500回程度と言われていますが、あくまで仕様上の数値で、使い方や保管方法によって、寿命は大きく変動します。

本記事では、今まで60台以上のポータブル電源を使ってきた筆者の経験を元に、ポータブル電源の寿命の仕組みから、寿命を伸ばす「コツ」や車中泊やキャンプで「気をつける点」を解説していきます。

さらに、最後には寿命が長くて性能面でもおすすめできるポータブル電源を5台紹介します。

目次

  1. ポータブル電源の「寿命」と「充電回数」とは
  2. ポータブル電源の寿命を伸ばすには?
  3. 実際に車中泊やキャンプで使う際に気をつけること
  4. 寿命が長いおすすめのポータブル電源5選
  5. ポータブル電源の寿命を理解して、適切な使用を
  6. アソモビ2023 in Makuhari

ポータブル電源の「寿命」と「充電回数」とは

ポータブル電源の寿命を徹底解説! 寿命を伸ばす「コツ」や使う際の「注意点」。オススメのポータブル電源5選も

ポータブル電源の寿命は、内蔵されているリチウムイオン電池のサイクル寿命のことを示します。

リチウムイオン電池のサイクル寿命

毎日、利用しているスマートフォンにもリチウムイオン電池が内蔵されていて、当然サイクル寿命があります。

100%充電して100%放電を1サイクルとカウントします。リチウムイオン電池の容量に対して100%の充放電になるので、0%→50%→0%→50%→0%の場合も1サイクルになります。

30%→80%→30%の場合は、50%の充放電になるので、0.5サイクルです。

リチウムイオン電池の種類によって充電回数が変わる

ポータブル電源に採用されるリチウムイオン電池は、長寿命が特徴の「リン酸鉄リチウムイオン電池」が一般的になりつつあります。

リン酸鉄リチウムイオン電池のサイクル寿命は、3,000回以上で、1日1サイクルした場合、3,000日(約8年)利用できる計算です。

一方、バッテリー密度に優れる「三元系リチウムイオン電池」のサイクル寿命は、500回程度。1日1サイクルした場合、500日(約1年ちょっと)利用できる計算です。

単純に6倍以上の差があるので、リン酸鉄リチウムイオン電池採用のポータブル電源を買えば、寿命を気にする必要がなくなりそうですが、使い方や保管方法を間違えると想定より早く使えなくなってしまう可能性もあります。

ポータブル電源の寿命を伸ばすには?

ポータブル電源の寿命を徹底解説! 寿命を伸ばす「コツ」や使う際の「注意点」。オススメのポータブル電源5選も

では、ポータブル電源の劣化を少なく、最大限長持ちさせるコツを4つ解説します。

  • 高温多湿を避ける
  • 電池残量を0%と100%にしない
  • 長期保管で過放電を気をつける
  • 充電しながら給電をしない

高温多湿を避ける

ポータブル電源に内蔵されているリチウムイオン電池は、高温多湿の環境下で保存や充放電することで、バッテリーの劣化を早めてしまいます。

特に40℃以上になると劣化速度が早まります。最適な温度は、20℃〜30℃と言われていますので、人が過ごしやすい環境をポータブル電源も好むと覚えておきましょう。

電池残量0%と100%にしない

0%(過放電)と100%(過充電)にしないのは、とても難しいです。

まず、0%の状態で長時間放置すると、再充電できなくなる可能性があり、寿命を短くする以前に、使えなくなってしまいます。過放電による故障は、筆者が運営している「ポタブルン」と言うポータブル電源の専門ブログによく寄せられる問い合わせです。

また、100%の状態で長時間放置すると、電池内の電圧が高い状態で保たれる為、バッテリーの劣化が早まってしまいます。 ポータブル電源は、いざという時に直ぐに使えるように、100%で保存したい気持ちもありますが、60%〜80%程度で保存することで、劣化を最小限にできます。

長期保管で過放電を気をつける

リチウムイオン電池に蓄えられた電池容量は、自然放電によって少しづつ減っていきます。

リチウムイオン電池の種類によって自然放電量は変わりますが、半年で10%〜20%ほど放電していきます。 仮に車中泊キャンプで使用して、20%残ったままシーズンを終え、半年以上放置した場合、電池残量が0%の過放電状態になり、再充電できなくなる場合があります。

このように、意図的に0%にしていなくても自然放電していくので、長期保管する場合でも定期的に充電する必要があります。ポータブル電源を災害時の備えとして購入する方は、特に注意が必要です。普段、全く使用しないで、倉庫に置きっぱなしにしていると、緊急時に過放電で残量がなかったり、再充電できない故障につながります。

日常的な節電対策として使ってみたり、緊急時を想定してポータブル電源を使ってみることで、劣化や故障を防ぎ、非常時の訓練にもなるのでおすすめです。

充電しながら放電しない

ポータブル電源の中では、充電しながら放電(パススルー)をしても劣化しない機種もあります。

パススルー対応のポータブル電源は、充電中に放電する場合、バッテリーを介さずにACコンセントから直接、使用する家電へ給電している為、内蔵されているリチウムイオン電池を痛めません。パススルー対応以外のポータブル電源では、バッテリーを充電して、充電した電力を出力している為、バッテリー内部で同時に充電と放電が行われている状態になります。

リチウムイオン電池は、化学反応を利用して正極と負極をリチウムイオンが移動することで充電と放電を行っています。 この化学反応を同時に行うことで、劣化を早めてしまいます。

実際に車中泊やキャンプで使う際に気をつけること

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では、実際の使用シーンで気をつける点を解説していきます。

夏の車中泊とキャンプの温度に気をつける

近年、ポータブル電源の性能向上とアウトドアブームにより、夏の暑さをポータブル電源と家電で対策する方が増えました。例えば、車中泊キャンプをする場合、目的地に向かう道中で休憩、買い物、観光をする場合もあります。

エンジンを止めた車内の温度は、平均温度50℃以上になる場合もあり、ダッシュボードは80℃近くまで上がります。そんな高温環境にリチウムイオン電池を放置すると、最悪の場合、発火や爆発を起こします。「車内でモバイルバッテリーが爆発した」というニュース、毎年目にします。

ポータブル電源も同様リチウムイオン電池を搭載しているので、車内に置いて買い物等に出る場合は、最も温度が上がりにくい後部座席の足元に設置するようにしましょう。その際、スノコなど敷くと、隙間ができ熱が篭るのを防いでくれます。キャンプでは、直射日光を避けて設置。閉め切ったテント内も高温環境になるので、気をつけましょう。

こまめな充電で充電残量を3割〜6割キープ

出発前に80%まで充電して、シガーソケットやソーラーでこまめな充電を心がけましょう。筆者は車中泊旅する際に、運転中はシガーソケット充電、日中天気の良い日はソーラーパネルで充電していて、なるべく30%〜60%をキープするように意識しています。

とはいえ、使いすぎて0%になったり、充電しっぱなしで100%になっていたことがありました。私が今使っているポータブル電源は、充放電レベルを設定できるので、20%未満になったら電源をオフに、80%以上になったら充電を止めるように設定しているので、自動で制御してくれます。

アプリ対応の最新ポータブル電源の中には、充放電レベルの設定が行える機種もあるので、残量を気にしながら使うのは疲れる! と言う方におすすめです。

寿命が長いおすすめのポータブル電源5選

ポータブル電源の寿命を徹底解説! 寿命を伸ばす「コツ」や使う際の「注意点」。オススメのポータブル電源5選も

最後に、ポータブル電源の寿命が長く、充放電レベルの設定なども行える最新機種を容量別で紹介します。

  • EcoFlow RIVER 2
  • EcoFlow RIVER 2 Max
  • EcoFlow RIVER 2 Pro
  • EcoFlow DELTA 2
  • BLUETTI AC60+B80

EcoFlow RIVER 2

EcoFlowのコンパクトで持ち運びに優れるシリーズ「RIVER」の後続モデル「RIVER 2」。

RIVER 2シリーズは、3つの種類があり、RIVER 2が最もコンパクトな300Wh以下のモデルです。 3万円以下で購入することができるので、最初の一台におすすめ。

ポータブル電源の寿命を徹底解説! 寿命を伸ばす「コツ」や使う際の「注意点」。オススメのポータブル電源5選も

EcoFlow RIVER 2

・容量:256Wh
・サイクル寿命:3,000回以上
・電池素材:リン酸鉄リチウムイオン電池
・AC充電時間:約1時間

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EcoFlow RIVER 2 Max

EcoFlow RIVER 2シリーズの中間スペックで500Whクラスの「EcoFlow RIVER 2 Max」。

6.1kgで持ち運びしやすく、バランスの良い容量と出力。ソロキャンやソロ車中泊で車載家電や小型家電を十分使うことができます。筆者は、車中泊でデバイスの充電に使用しています。

ポータブル電源の寿命を徹底解説! 寿命を伸ばす「コツ」や使う際の「注意点」。オススメのポータブル電源5選も

EcoFlow RIVER 2 Max

・容量:512Wh
・サイクル寿命:3,000回以上
・電池素材:リン酸鉄リチウムイオン電池
・AC充電時間:約1時間

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EcoFlow RIVER 2 Pro

EcoFlow RIVER 2シリーズの最も大容量モデルで700Whクラスの「EcoFlow RIVER 2 Pro」。

EcoFlowの独自技術X-Boostで1,000Wまでの家電を動かすことができます。1,000W以上の家電を動かせるポータブル電源は、容量1,000Wh以上の大容量モデルが一般的。

RIVER 2 Proは、コンパクトでありながらパワフルな一台です。

ポータブル電源の寿命を徹底解説! 寿命を伸ばす「コツ」や使う際の「注意点」。オススメのポータブル電源5選も

EcoFlow RIVER 2 Pro

・容量:768Wh
・サイクル寿命:3,000回以上
・電池素材:リン酸鉄リチウムイオン電池
・AC充電時間:約70分

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EcoFlow DELTA 2

EcoFlowの人気機種「EFDELTA」の後続モデル「DELTA 2」。筆者は、車中泊で愛用しています。

リン酸鉄リチウム採用によりサイクル寿命が3,000回以上になり、保証期間は業界最長の5年に。大容量1,000Whクラスで、出力と容量のバランスが良く、専用拡張バッテリーで2,000Wh〜3,000Whに増量も可能。

EcoFlowのアプリと連携することで、充放電レベル設定など細かな設定が行えます。

ポータブル電源の寿命を徹底解説! 寿命を伸ばす「コツ」や使う際の「注意点」。オススメのポータブル電源5選も

EcoFlow DELTA 2

・容量:1,024Wh
・サイクル寿命:3,000回以上
・電池素材:リン酸鉄リチウムイオン電池
・AC充電時間:約80分

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BLUETTI AC60+B80

本体AC60と拡張バッテリーB80を組み合わせた増量可能なポータブル電源。容量の増量ができるポータブル電源は珍しくないですが、本体1,000Wh以下を増量して2,000Wh以上にカスタマイズできるのは、珍しい。

普段は、本体のみでコンパクトに使って、用途に合わせて2,000Wh以上に増量できるのがBLUETTI AC60+B80の強みです。ソロからファミリーまで対応できるので、ポータブル電源選びで失敗しがちな、容量の過不足が起こらない。

公式HPで見る

ポータブル電源の寿命を理解して、適切な使用を

ポータブル電源の寿命を徹底解説! 寿命を伸ばす「コツ」や使う際の「注意点」。オススメのポータブル電源5選も

ポータブル電源の寿命について解説していきました。ポータブル電源の寿命を長持ちさせるには、高温多湿を避け、20℃〜30℃の環境下で保管と使用、バッテリー残量0%と100%を避け、こまめに充電することが大切です。

特に、車中泊やキャンプでは、AC充電が行えない為、シガーソケットやソーラー充電性能が高い機種を選ぶことで、屋外でもこまめに充電することができて、過放電を避けることができます。

ポータブル電源の寿命を理解して、適切に使いましょう。

■著者プロフィールは、こちら

アソモビ2023 in Makuhari

ポータブル電源の寿命を徹底解説! 寿命を伸ばす「コツ」や使う際の「注意点」。オススメのポータブル電源5選も

■公式HP:https://asomobi.com/
■イベント名:アソモビ2023 in Makuhari|PLAY MOBILITY EXPO 2023 in Makuhari
■開催日時:
2023年8月5日(土) 10:00~18:00
2023年8月6日(日) 10:00~17:00
■会場:幕張メッセ 国際展示場 1・2ホール
■イベント内容:
車両メーカー、キャンピングカー、車中泊車の展示・販売、アウトドア用品の展示・販売、レジャー施設情報コーナー、マルシェ、各種物販