食品産業新聞社
(画像=食品産業新聞社)

丸紅(株)(柿木真澄社長)は4月17日、もみ殻炭の国内最大手(有)プロス(長野県伊那市、中島伸二郎代表)と業務提携を締結した。今後、もみ殻炭の生産を強化し、丸紅が拡販を図る。

もみ殻は全世界で年間1億4000万t発生するにも関わらず、有効活用されず廃棄・焼却処理されていたため、環境課題となるケースがあった。一方、もみ殻をいぶし焼にした「もみ殻炭」はいわゆるバイオ炭の一種で、炭の内部に多数の微細孔を持ち、保湿・保水・土壌改良などの機能を持つ。また農業の土壌改良剤として使用すると土壌に炭素を貯留、最終的には製造や輸送時のCO2排出量を実質オフすることにも繋がる。

プロスは2006年からもみ殻炭の製造を開始、現在は長野・秋田・新潟の3工場を拠点とし、長年の製造・販売ノウハウを蓄積してきた。丸紅は、まず秋田工場の製造設備更新を支援し、取引先の要請に応じて国内外でのもみ殻炭生産拡大も検討。これらの連携を通じ「良質なカーボンクレジットの創出に寄与する」。なお、2022年11月には農地へのバイオ炭施用がJ-クレジット制度の方法論として認定されている。

丸紅は今後、「もみ殻に限らず、未活用のバイオマスを原料とする各種バイオ炭を活用して創出したクレジットによって、化学品などの商材をカーボンオフセットするなど、効率的な循環経済の構築に向けた取り組みを積極的に推進する」としている。

〈米麦日報2023年4月20日付〉