矢野経済研究所
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2022年度の理美容向け業務用化粧品市場は、前年度比104.1%の1,538億円

~来店客数や来店頻度が回復し、ヘアカラーを中心に施術売上高が改善、店販品の販売も好調に推移~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内の理美容向け業務用化粧品市場を調査し、市場規模、都道府県別やカテゴリー別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

理美容向け業務用化粧品市場規模推移・予測

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1.市場概況

2022年度の理美容向け業務用化粧品市場規模は、メーカー出荷金額ベースで前年度比104.1%の1,538億円となった。2022年度の理美容向け業務用化粧品市場は、2022年春のまん延防止等重点措置終了など行動制限が緩和されたことで、外出控えが改善に向い、理美容サロンへの来店客数や来店頻度の回復が進んだ。
今後も感染防止対策として、混雑した場所や換気の悪い密閉空間ではマスクを着用したり、周囲に感染を広げないために外出を控える等の生活スタイルは継続される見込みで、コロナ禍前の市場環境には戻ることは難しいものの、ヘアカラーオーダーを中心に店頭施術売上が改善され、店頭やECチャネルでの店販品(店頭販売品)の販売も好調に推移している。

2.注目トピック

原材料価格の上昇によるメーカー各社の対応が活発化

世界的な汎用原料の需要拡大による原料の市場価格高騰の影響により、国内市場においても数次の原材料価格改訂が行われている。さらに、包装資材やエネルギーコスト、物流費、人件費等が上昇しており、国内理美容化粧品メーカー各社では、これまで自社内部の継続的なコスト吸収努力の取組みを基本方針に掲げてきたが、2022年後半から一部メーカーによる価格改訂(値上げ)が始まっている。
また、2023年度以降、新ブランドの上市や新製品投入、既存ブランドのリニューアル時に、価格改訂を行う旨の方針もかなりの数確認されている。一方で、国内外のメーカーとの競合環境を踏まえ、価格改訂による他社ブランドへの切り替えを懸念し、なお慎重姿勢を貫く理美容化粧品メーカーも少なくない。
理美容化粧品メーカーは、自社製品の価格改訂と併せた取引先サロンの客離れを生じさせない効果的な新メニューの提案を行い、ひいては客単価アップとサロンスタッフの賃金アップ等の波及効果も訴求した営業に注力していくことが求められる。

3.将来展望

2023年は新型コロナウイルス感染症の5類移行も予定され、コロナ前の生活への回復が期待されること、また業務用化粧品の価格改訂も予定されていることから、2023年度の理美容向け業務用化粧品市場は拡大を予測する。レジャーやファッションをはじめとする多様な娯楽や趣味に生活者の支出が分散化されることに加え、人口減少の構造的問題も重なり、その後、市場は減少に転じるものとみられる。

調査要綱



1.調査期間: 2023年1月~3月
2.調査対象: 理美容化粧品メーカー、理美容化粧品商社・ディーラーその他、理美容関連協会・団体、理美容関連企業
3.調査方法: 当社専門研究員の直接面談(オンライン含む)、電話・e-mailによるヒアリング調査、ならびに文献調査併用
<理美容向け業務用化粧品市場とは>
本調査における理美容化粧品市場とは、国内理容所(理容室)と美容所(美容室)で主に毛髪に関する施術に供するために必要な業務用化粧品全般、及びサロン利用客を対象に販売するサロン専売のホームケア化粧品の市場をさす。原則として、宿泊施設・エステティックサロン等で使用されている業務用化粧品は含まない。
<市場に含まれる商品・サービス>
理美容業界向け化粧品(ヘアカラー剤、パーマネントウェーブ剤、ヘアケア剤、スタイリング剤、その他)

出典資料について

資料名2023年版 理美容化粧品マーケティング総鑑
発刊日2023年03月27日
体裁A4 285ページ
価格(税込)165,000円 (本体価格 150,000円)

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