サンデン・リテールシステム「ど冷えもん」使用例
(画像=サンデン・リテールシステム「ど冷えもん」使用例)

サンデン・リテールシステムで展開の冷凍自販機「ど冷えもん」が依然として順調だ。

2022年12月末時点での販売台数は6,000台超で、開発時点での想定を上回るという。最近では飲食店以外からも注目され、飲料の自販機ではなく冷凍自販機を設置するところもあるという。コールドチェーン事業部事業企画部の吉田智紀部長は「最初は食品メーカーに向けた提案を想定していたが、コロナ禍に考えていなかった形で広く利用してもらえた。最近では食品メーカーからも声がかかり、当初に想定していた利用もされるようになり始めている」と話す。今の取り組みや今後の施策など聞いた。

――冷凍自販機の拡大が続いている。

メディアやSNSなどで広く紹介していただき、それのおかげで個人経営の飲食店から活用してもらえた。そこでの実績からチェーンの飲食店に活用いただけるようになった。この自販機で面白いと感じたのは、女性の利用が多く見られたこと。店に行かなくても美味しい料理を食べられるなど好評だ。2022年12月末時点での販売台数は6,000台超で、開発時点での想定台数をはるかに超えている。また、都市部よりも住宅街での販売が良い傾向にある。

――飲食店での活用が広がっている。想定通りか。

実は、企画当初は食品メーカーの冷凍食品や、コンビニでの活用を想定していて、市場調査や開発はそこに向けて行っていた。それが新型コロナウイルスの感染拡大で、販売方法に悩む飲食店の方たちから注目していただけた。

単価も、企画当初は300円前後を想定していたが、実際には1,000円前後でも売れ行きが良く、5,000円の商品でも売れている。購入される方からは「有名店の味を手軽に試せる」「単価が高くても、店舗へ直接行かなくてよい」「並ぶ必要がないのでコスパが良い」などの声がある。また、子どもいる家庭からは「飲食店だと周囲が気になるが、家で気軽に美味しい食事を摂れる」などの声があった。

――どのような商品が売れているか

ラーメンと餃子はやはり良い。想定外なのは、焼肉用の肉や、刺身。こうした商品を扱う会社が増え、価格も1,000円台よりも上の商品が増えている。代理店でも自販機オーナーに商品や売り方の提案を行っている。

――冷凍市場の今後をどう見ているか

「そろそろ落ち着いてきたのでは」と言われることもあるが、冷凍カテゴリーはまだ伸びると感じる。これまでは安くて手軽、だけど美味しくないというイメージだったが、それが払拭されてきていると感じる。

「ど冷えもん」が夜よく使われる理由の一つに女性が1人で買いに行けるという話がある。店に入る時はメイクをしたい方が多い中、自販機ならばノーメイクでも気にならないため、住宅立地のところでは夜でも良く動いている。冷凍機メーカーなどとのアライアンスを広げてコールドチェーンを確立し、導入を検討されているところなどへのサポートも強めたい。

――今後の戦略は

どひえもんの販売を広げるためにも、パッケージや配送などをよりサポートできる体制を整えたい。冷凍コールドチェーンとして成立させるために各社とのアライアンスを広げている。単なる自販機の提供だけでなく、売る商品、食品メーカーの紹介、冷凍機の紹介などを行い、冷凍で提供できる商品を増やしたい。場所が余っているけれど取り組みに躊躇されているかたにも提案していく。

当初利用を想定していた食品メーカーからも声がかかるなど、利用シーンは着実に広がっている。ロケ弁を販売していた会社が本格的に冷凍弁当を売るようになるなど、大きく変化してきた。横のつながりをより深めて一過性のブームで終わらせないよう、広く定着させたい。

〈酒類飲料日報2023年3月20日付〉