(本記事は、メンタリストDaiGo氏の著書『超トーク力 心を操る話し方の科学』=CCCメディアハウス、2021年4月20日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
声を変えれば印象が変わる
意外と知らない声の重要性
自分では話すべきことを話せていると思っているのに、なぜか存在感を発揮できない、説得力が乏しいような気がするといった悩みがある人は、もしかすると「声」に原因があるのかもしれません。
よく「議論は声がでかいヤツが勝つ」といわれます。本来であれば、声の大小とは関係なく、質の高い内容を話す人の意見が尊重されるべきでしょう。
しかし実際に会議を観察した研究によると、発言の機会が均等ではない場では、声が大きく、よく話す人の意見が通りやすいことがわかっています。
私も動画では早口で少し高い声を出していますが、これは見ている人に考えるすきを与えないためです。新しい知識について知ってもらうとき、低くゆっくりとしたトーンで話すと、聞いた相手は自分の過去の経験と照らし合わせ、多くの場合、否定的なインナースピーチの影響を受けます。
これは新しく入ってくる情報や知識よりも、過去の経験や記憶を優先するのが人の本能だからです。しかし、高い声の早口で一気に伝えられると、善し悪しを判断する前に情報を受け取ってしまいます。
新しい知識を知ってもらうには高い声と早口が有効で、しっかり覚えてもらいたいポイントについてはスピードを落としてゆっくり話すと、効果的。つまり、声にはそれだけ力があるのです。