(本記事は、メンタリストDaiGo氏の著書『超トーク力 心を操る話し方の科学』=CCCメディアハウス、2021年4月20日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
「親しくなるための話し方」2つのポイント
ちなみに、私は友人知人の多いタイプではありません。でも、自分から親しくなりたいと思った相手とは、確実に深いつながりを築くことができます。それは「親しくなるための話し方」の2つのポイントである、自己開示の適切な使い方と、話す前に行っておく事前の準備の方法を押さえているからです。
親しくなるための話し方、2つのポイント
- お互いに自己開示をする
- 事前準備として、自分の内面を整える
「雑談力」があると、話し相手の感情を引き出すことができるようになります。すると、相手にとってあなたは話しやすい人、親しみを感じる人のゾーンに入ってきます。つまり、より親しくなるための土台は整っているのです。
ところが、そこで多くの人がもう一歩踏み込めないまま足踏みしてしまいます。
「もっとプライベートの突っ込んだ話をして、仲よくなりたい」
↓
「でも、せっかくいい感じで雑談を交わせる仲になったのに、気軽な関係が崩れるのも、なんだかなあ……」
「相手の本音を聞いてみたい」
↓
「だけど、本音を聞き出そうとして、心のシャッターが下りちゃったらいやだな……」
「悩みを打ち明けて、相談に乗ってもらいたい」
↓
「重い話をすると、引かれてしまうかもしれない……」
パーソナルな話題を話せる関係を作りたいのに、「うまくいかないかも……」と不安になり、相手に悪いかもしれないと遠慮し、尻込みしてしまうのです。
この余計な気づかいもまた、大人になると友達が作りにくい原因となっています。
では、どうして不安や遠慮を感じてしまうのでしょうか。その理由は、自己開示をする前に行っておくべき準備が足りないことにありました。
話し方や話す内容よりも大事な「内面の静けさ」とは?
その準備とは、「自分の内面を整えること」。
根拠となっているのは、アメリカのトーマス・ジェファーソン大学ミルナ・ブラインド統合医療センターの医師でもあり、脳神経学者でもあるアンドリュー・ニューバーグ博士の研究チームが行った会話に関する研究です。
ニューバーグ博士の研究チームは、信頼関係が増すようなコミュニケーションについての先行研究をレビュー。人と人とが親しくなる会話の鍵はどこにあるのかを探りました。
そこで、研究チームが不可欠な要素として第一に挙げたのは、話し方や話す内容ではなく、意外にも「内面の静けさ」でした。
なぜそれが重要かというと、不安や遠慮が親しくなるための踏み込んだ会話を尻込みさせるように、過去の多くの研究でネガティブな感情が他の人とのコミュニケーションの妨げとなることがわかっているからです。
また、内面がざわついたまま踏み込んだ会話を始めてしまうと、一方的に自分が話し続けてしまったり、相手の話をきちんと聞けずに信頼できないと思ってしまったりといったトラブルも生じます。
勇気を持って自己開示をするためには、ネガティブな感情を遠ざけ、メンタルを整え、内面の静けさを保つことです。