みなさん、キャンプのマナーって、学校で教わったという記憶、ありますか? 少なくともぼくは記憶にないんですよね。ということは、いま気をつけているキャンプにおけるマナーっていつ学んだんでしょう。
そして、自分が正しいと信じているマナーって、本当に正しいんでしょうか。と、ちょっと煽った感じになってしまいましたが、実際不安になった読者の方もいらっしゃるんじゃないかと思います。
一人のキャンパーとして、今回もぼくなりの解釈ではありますが、バンキャンプを実践する上での “こころがけ” という表現で、キャンプや車中泊のマナーについて考えてみたいと思います。
あと、記事の最後になりますが、大事な!大事な!大事な!お知らせもありますので、ぜひぜひ最後まで読んでいってくださいね!
目次
残念ですが自然への配慮に欠けたマナー違反、見たことがあるんです
いちバンキャンパーとして、ぼく自身が一番重きを置いて、常にこころがけていること。
それは、「自然と環境への配慮」です。
バンキャンプの魅力を提案しているぼくには、当然ながらクルマでの行動が伴います。いわゆるファストパッキングやハイク、登山といった自分の身一つで自然の中に入っていくこととは異なり、明らかな異物である「クルマ」に乗り、排気ガスを吹き出し、走行音を轟かせながら自然の中に入っていくしかないぼくたちバンキャンパー。
だからこそ、この行為を少しでも中和したいという理由からも、自分が身を置く自然に最大限配慮した行動をとるということは、とても大切なことだと考えています。では実際、ぼくがどんなことに気をつけているのか、いくつか挙げてみますね!
- その1.ゴミとなるものを持ち込まない。
- その2.音を出さない。
- その3.明かりを灯さない。
ちょっと極端な書き方をしてみましたが、“こころがけ” としてウソはついていませんよ。
本来自然の中には存在しない、ビニールやプラスチック製品などの「異物」をできる限り持ち込まないようにしていることであったり、たとえ持ち込んだとしても、最小限に抑えて、自分で出したゴミは全て自宅へ持ち帰って分別処理するようにしていたり。
そうすることで、自分の「手間を減らす」というためにも、食料も道具も、本当に必要なものだけを持ち込むという意識に変わりました。
あくまでも個人の “こころがけ”として
例えば、食事をしたあとの洗い物、どうされていますか?
キャンプ場へ行き、みんなでBBQを楽しんだり、カレーを作ったり。よくある定番メニューですよね。食事が済んで洗い場へ行き、お皿を洗う。これも当然の行動だと思いますが、洗剤をつけたスポンジでお皿をゴシゴシ。蛇口をひねって水道水で流す。
さて、この水がいったいどこに流れていっているのか気にしたことはありますか? 自宅であれば当然、下水へ流れて浄水、循環されます。また、しっかり整備されたキャンプ場であれば、下水へと流れていっていることでしょう。
ところがです。洗剤まみれ、油まみれの水が、そのままシンク裏の地面へと垂れ流しになっているキャンプ場があるのも現実です。数年前にその様子を目撃してしまったときの衝撃はすさまじいものがありました。
ゴミはもちろん、このように排水やアルコールの処理、炭の処理というところにも最大限注意をしなければならないと考えています。
加えて、「音」や「灯り」という点では、夜間のスライドドアの開閉音だったり、キーレスによるドアロック音や点滅だったり。テント泊とは異なる大きな音や人工的な灯りを発するからこそ、周囲のキャンパーにも野生動物にも、余計に配慮が必要だったりします。
しかしながら、これらについてはきっと、キャンパーさんそれぞれの考え方によるところが大きい部分だとも思いますし、当然ぼくから誰かに強制できるものではないとも思っています。
あくまでも個人の “こころがけ”として実践していることではありますが、同じ様に考えて実行してくれる人たちが増えてくると、きっとその分は自然へと還元され、結果的には自分達に還ってくるはずだと考えています。
だって、川で魚が泳いでいなかったり、山に入って鳥のさえずりが聞こえなかったら残念じゃないですか。
ルールやマナーと言うと、拒否反応を起こしてしまいそうだけど
その一方で、「ルールだ!」「マナーだ!!」と言われるのは、なんだか拒否反応を起こしてしまいそうな響きでもありますよね。
でも実際のところそんなに複雑な決め事があるわけではないですし、キャンプ場やRVパーク、道の駅など、滞在する場所ごとに守るべきルールの掲示があるので、これは読めば理解できるはずです。みなさん大人ですからね笑
ぼくとしては「マナー」について考えることの方がよっぽど大事なんじゃないかと思っています。育った環境と言ってしまうと語弊があるかもしれませんが、国籍や世代、地域の習慣に左右されるところもあり、人それぞれ感覚が異なるのがマナーなんじゃないかと。
“自然と人に優しく”、これだけで良いのではないかな
自らが信じるマナーや常識を、感覚の異なる他人に押し付けてしまうのは、それこそエゴだと思いますし、たぶんそれを主張しても理解はされないでしょう。
揉め事の原因になることだけは間違いないですよね。「何が良くて何が悪い」というよりは、他人に優しく思いやりを、ということに尽きるんじゃないでしょうか。
少し前になりますが、道の駅の駐車場で、カセットコンロを使用して調理をしているご夫婦がいらっしゃいました。当然その駐車場での火気使用は禁止事項です。
なんとなくではありますが、滞在中の様子や使用されている道具などから、車中泊をしながら旅を続けていらっしゃるんだなとわかりました。だとすると確信犯ですよね。ルールを知っていながらカセットコンロを使用してウインナーを焼いているんだもん。
まったく隣に駐車しているぼくの身にもなってほしいものです! だって、ジュージューと油を滴らせながら焼ける音と、シャウエッセンの香ばしい匂いが車内に充満してお腹のグーグーが鳴りやまないんだから笑 朝食にシャウエッセンはズルすぎじゃないですか。
「この空腹の責任どうしてくれるんじゃーい!」と、怒鳴り込みにはいけませんでしたが、この事が、どこか別の場所で、自分も同じ様に周囲に迷惑や嫌悪感を抱かせてしまったことがあったかもしれないと、考えるきっかけになったのは事実です。
だからこそ、そこは広く優しい気持ちで対処することが大事なんじゃないかなと。もちろん、ルールはルール。ちゃんと納得してもらえるような高等話術でお話することができればいいのですが、施設の方にお伝えして対応してもらうのがベストでしょう。
ちょっとした工夫で、ずいぶん手軽になりますよ
でもこれって、事前にある程度のコミュニケーションがあれば、そういったルール違反行為を未然に防げたりもするんじゃないかとも思います。
すぐ隣から「一部始終を監視してるからな!」という、圧力をかけるという意味合いではなく、「お互い気持ちよく過ごしましょうね☺」という意味でのコミュニケーションです。
ご挨拶って、究極の奥義かも
その1つとしてよく言われるのは、お隣さんへの「ご挨拶」。なーんだそんなことか。って思うかもしれませんが侮るなかれ!
これは冗談抜きでほんっっっっっとに有効で、最初にして究極の奥義と言っても過言ではありません。自分が先に滞在していようが、後から到着しようが、クルマから降りて真っ先に「こんにちはー!」と言えば良いだけ。
ただ一言「こんにちは」と発するだけです。この一言があるだけで、お互いの見えない心のバリアは消え去ります。確実に。
こんなに簡単で、効果的にコミュニケーションがとれる方法って他にはなくて、たとえ相手から何のリアクションが返ってこなかったとしても、こちらはコミュニケーションをとる気がありますよって意思表示にもなりますよね。
でもこれ、着いてすぐ! が重要で、時間が経てば経つほど効果は薄くなりがちなのでご注意を。
自分たちが楽しむための場所を失わないために
「自然」があることで、癒やしや満足感を得られるのがキャンプの魅力ですが、それを取り巻く「環境」、すなわちぼくたちキャンパーの “こころがけ” 次第では、もっともっと楽しめる場所を増やすことができるかもしれないし、裏を返すと自分 たちの遊び場を失ってしまう可能性もあるということです。
自然へのインパクト。
他者へのリスペクト。
自然にも周囲のみんなにも優しく。今回の記事がそんなことを考えるきっかけになってくれると嬉しいなと思います。
自分たちが楽しむ場所を失わないために。
大事な大事なお知らせ
そして! ここで大事な大事なお知らせがあります。これまで、全8回に渡って「クルマ」と「キャンプ」の新しい楽しみ方を、連載形式で綴ってきた「バンキャンプのすゝめ」ですが、今回で一区切りとさせていただきます。
様々な角度から、ぼくなりの解釈でバンキャンプを紐解いてきたわけですが、バンキャンプを少しでも身近に感じていただけたなら、頭をかきむしりながら夜な夜なタイピングしてきたかいもあるってものです笑
一区切りとは言っても、 “シーズン1” を終えるというイメージで、これからもVancamp Japan としての活動は続いていきますし、ぼく自身ももっと成長して、そしてまた新しい楽しみ方を提案できるようにして帰って来ますので、その時は“バンキャンプのすゝめ シーズン2” というカタチでまたお会いしましょう!
ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。
VANCAMP JAPAN
代表 小濱潤平