第52回食品産業技術功労賞 地域創生部門受賞
(画像=第52回食品産業技術功労賞 地域創生部門受賞)

小売業が移動スーパーを運営するには、車両やドライバーを用意する必要があるが、とくし丸はそれらが不要で、すぐに移動スーパーを始められる画期的なしくみを開発した。徳島で創業して2022年で10年を迎えた。加盟スーパーは47都道府県に140社以上、稼働トラックは1000台を超える。

移動スーパーは個人事業主である販売パートナーが運営する。パートナーが店舗から商品をピックアップし、売れ残ったら店に返すので、パートナー、小売双方にとって負担が少ない。玄関先まで出向くので顧客は来店の必要がなく、ネットスーパーのように注文から届くまでのタイムラグもない。生鮮品を含む約400品目を扱い、顧客は選ぶ楽しみもある。その時無い商品は、次回持ってきてもらえ、ロスも少ない。配送料不要で、顧客は1品あたり10~20円上乗せした価格を負担し、これが運営の原資になる。

利用者の9割が高齢者。地方では特に店が無い、公共交通機関が無い、クルマが運転できないなど、高齢者を取り巻く課題が多い。それらを解決するとともに、地域の見守りの役割も担う。

〈食品産業新聞 2022年12月5日付より〉