(本記事は、舛田 光洋氏の著書『一倉定の環境整備』=日本実業出版社、2022年1月28日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
狂気の沙汰?毎日1時間の環境整備がもたらす利益は無限大!
社長にとって、一見、狂気の沙汰と思える毎日1時間の環境整備を行えば、社員の仕事ぶりが変わり、お客様の信頼が高まり、売上が増加します。
会社にもたらす利益は無限大なのです。
逆に言えば、それだけの効果を得るには最低1時間が必要だということです。
では、その1時間をどのように使うかということですが、一倉先生の指示では、最初の10分か15分は仕事の後始末、それから本番ということです。
本番は、初回は週刊誌の見開きだけのスペースで、2回目以降は、もっと広いスペースでもかまわないとのことです。
重要な部分を引用しましょう。
「必ずその日にきめられたスペースだけとし、それ以外のところは、やってはいけない」のである。これを破ると、いつまでたっても効果はあがらずに終ってしまう。「その日に決められたスペースだけを磨きこむ」のでなければダメである。
一倉定の社長学第10巻『経営の思いがけないコツ』より
はじめのうちは、この要領が分からず、磨くどころか、〝簡単に拭く〟程度で〝もう十分だ〟と思いこむ危険がある。
「範囲を決めてそれ以外はやらない」ということと、「簡単に拭くのではなく、磨き込む」のが特徴です。
私は、毎朝、6時30分から仕事が始まりますので、そこから1時間環境整備を始めます。最初の15分は、前日の仕事の後片づけから始めます。
デスクの上には、前日の執筆をしていた状態が展開しているので、開かれた参考書籍や資料を確認しながら、片づけていきます。パソコンの中も、確認をした上で一旦ファイルを閉じます。
それから、埃取り、デスクの磨き込み、範囲を決めての床の磨き込みをしていきますが、雑巾で拭き上げていく中で、心が平静になり今日やるべき仕事が明確になっていきます。
雑念さえも、取り除かれていくようです。その中で、インスピレーションを受けることも多いのでメモ帳を用意しておきます。
環境整備が終わると、頭の中がスッキリとして自然体で仕事に取り掛かることができます。
2014年からハワイでの企業コンサルタントを中心に、セミナー講演活動をする。代表作に『そうじ力であなたが輝く』(総合法令出版、25万部)、『3日で運がよくなるそうじ力』(三笠書房)、『そうじ力で自分磨き』(日本実業出版社)などがある。『3日で運がよくなるそうじ力』は、 2006年の発刊以来版を重ね2017年に112万部。
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