(本記事は、舛田 光洋氏の著書『一倉定の環境整備』=日本実業出版社、2022年1月28日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
なぜ、環境整備で業績が上がっていくのか?
一倉先生のコンサルティングは、環境整備に始まり、これ以外何もしていないのに、業績が上がり、あとは、すべて、自然とうまくいく、ということです。
事業経営に環境整備を入れることで、なぜ、業績が上がるのでしょうか。
業績が上がるということは、売上が上がる、儲かる、利益が出るということです。
それは、お客様が買い続けてくれることを意味しています。
これこそが、事業の始まりにして最大の目的です。
お客様が買ってくれなければ、会社は潰れます。
事業を存続していくためには、お客様に買ってもらい、利益を出し、さらに新しい商品やサービスをお客様に提供していかなければなりません。
とてもシンプルです。
ところがこれが難しいのです。
3ヶ月くらい前、ある定食屋のランチを食べに行きました。そこは明太子が食べ放題なのです。
この「食べ放題」というのが魅力です。実際は、明太子だから、塩辛くてたくさん食べられないのですが、自宅では味わえない、何か小さな夢を叶えてくれたような気になります。
私は月2回ほど通い続けています。
それとは正反対のお店が近所にオープンしたのですが、そこは本格ハンバーガーを提供するお店です。開店記念で半額で食べました。味はそこそこで美味しかったのですが、通常料金で食べるほどではないなと思いました。お店のオーナーの立場からすれば、店舗を借りて、内装にお金をかけて、「さあ、いよいよオープンだ、やるぞ!」と気合いを入れていたとしても、勝負はすでについているのです。
ご自身で考えてみてください。一度しか行かない飲食店が多いのではないでしょうか。通うお店も限られているのではないでしょうか。
「お客様に買っていただく」というシンプルなことにもかかわらず、これが難しいのです。買ってもらえれば天国、買ってもらえなければ行き着く先は地獄です。
経営者は、日夜、どうやったらお客様に買ってもらえるかを、考えに考えて、努力に努力を重ねています。
それでも潰れる会社があとを絶ちません。
しかし、一倉先生は、「環境整備以外何もしないのに、すべて自然とうまくいく」とおっしゃっているのです。
もし本当にそうだとするならば、すごいことではありませんか?
一倉式環境整備とは、「規律・清潔・整頓・安全・衛生」です。
詳しくは第4章で解説しますが、簡単に言えば、いらないものを捨てる、埃も汚れも取り除き、物の置き方と置き場所を決めるということです。
これをやるだけで、業績が上がる、つまり、お客様が買ってくれるようになる、ということです。
2014年からハワイでの企業コンサルタントを中心に、セミナー講演活動をする。代表作に『そうじ力であなたが輝く』(総合法令出版、25万部)、『3日で運がよくなるそうじ力』(三笠書房)、『そうじ力で自分磨き』(日本実業出版社)などがある。『3日で運がよくなるそうじ力』は、 2006年の発刊以来版を重ね2017年に112万部。
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