日本給食サービス協会、会員企業のSDGsの取り組みを紹介、業界全体の底上げを図る
(画像=日本給食サービス協会、会員企業のSDGsの取り組みを紹介、業界全体の底上げを図る)

日本給食サービス協会は2月8日、東京ビッグサイトで開かれたフード・ケータリングショーで特別セミナーを行い、会員企業2社がSDGsの取り組みを発表した。

馬渕商事の岩間晃宏さんは、社内で専門機関を設置し検討を行い、銀行によるSDGs診断も受けて独自の「SDGs宣言書」を発行した経緯や、社内報の中にコーナーを設け社員一人ひとりの意識の向上を図ったことなどを解説した。

SDGsに取り組むことで、社内コンプライアンスの強化と見直し、健康な食事・食環境認証制度「スマートミール」の導入、産地にこだわる食材選び、社内DX化の加速などの波及効果が生まれたことも紹介。

岩間さんは「SDGsを会社にリンクさせることは決して難しいことではなく、むしろ会社を見直し、仕事の価値を見直す良いきっかけとなる」と意義を語り、「私たち給食サービスの業界から自信をもってSDGsを発信していこう。『食から始まる素晴らしいSDGs』を成し遂げ、未来につなげていきたい」と呼びかけた。

シダックスコントラクトフードサービスの長澤千裕さんと平野照代さんは、受託する社員食堂におけるSDGsの取り組みを紹介した。

食堂メニューには大豆ミートやGAP食材、ブルーシーフードなど、環境や動物福祉に配慮した持続可能な体制で生産・加工された食材「サステナブルフード」を採用。食品ロス削減に向けて、賞味期限前の有効活用や献立の工夫、啓発POPの掲示などの好事例も紹介した。

平野さんは「顧客企業と連携して、環境に配慮した食事の提供と食品ロス削減の取組みを会社全体で推進していきたい」と抱負を語った。

セミナーの冒頭、西脇司会長(日本ゼネラルフード会長)は「今や新聞やテレビで目にしない日はないほど認知度が上がってきたSDGsは、2015年9月に国連で採択され、2023年2月で約7年半が経過し、2030年のゴールまでの折り返し地点となっている。SDGsへの取り組みは、達成のために苦労するものではなく、会社や社会、そして地球をこの先も守り続け、発展させるためにごく当たり前に行う『ウィズSDGs』に徐々に変化していく必要があるのではないか。そうなってこそ真に持続可能な取り組みと言える。協会会員企業の中には、安全・安心な食事を提供するとともに、CO2やフードロスの削減、環境負荷を考慮した食材の使用、食育の推進などに取り組む企業がたくさんいる。その事例を共有することで、給食サービス業界全体の底上げを図りたい」と狙いを語った。