お酒を120%楽しむ!
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(本記事は、田村 隆明氏の著書『お酒を120%楽しむ!』=東京化学同人、2020年4月6日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

焼酎の飲み方の定番,お湯割りの極意!?

焼酎はストレート,ロック,水割り,お茶割り,お湯割りなどで飲まれます。味わいが爽やかだという理由から,最近では炭酸水割りも増えていますし,ウーロン茶割りや麦茶割りもよく見かけます。しかし本格焼酎の濃醇な味と香味を楽しむのであれば,筆者の私見ですが,やはりなんといってもお湯割りでしょう!

専用容器である千代香(ちょか)に60%前後に薄めた焼酎を入れて温めるのが“正しい方法”といわれます。ただこの方法,意外に面倒なため,一般的には焼酎とお湯を器に直接入れてつくります。アルコール25%の焼酎の場合,焼酎6:お湯4 の“ろくよん”,あるいは等量に割るとおいしく飲むことができます。注ぐお湯を70~75 ℃にして,飲むときに40~45 ℃になるのがちょうど良いと言われています。お湯が熱すぎると焼酎の風味と香りが飛び,アルコール刺激が強調されすぎてしまうからです。たくさんつくると途中で冷めてしまうので,容器は小さめのほうが良いようです。

焼酎飲みの間では,「お湯割りでは焼酎とお湯のどちらが先か?」がしばしば議論になります。焼酎の通(つう)によると“お湯が先”が良いそうです。「熱すぎるお湯が適当に冷め,かつ容器が温まる」や「逆だと尖った風味になり,まろやかさに欠ける」が理由になっています。また「お湯が下にあるほうが焼酎が対流して自然に混ざる」という理由もあるそうです。ちなみに西日本などはお湯最初派が多いけれど,東日本や北日本では焼酎最初派がメジャーだという統計があるそうです。そういう筆者(秋田県出身)も,焼酎最初のほうが量を正確に取りやすいし,お湯を勢いよく注いで混ぜればいいと考えるズボラな人間なので,恥ずかしながら焼酎最初派です。皆さんはどうですか?

ちょっと詳しく

庶民の味方: ホッピー

ホッピーはホッピービバレッジ社が終戦後に開発した麦芽とホップで造ったビール風味の低アルコール(約0.8%)清涼飲料水で,爽快な味わいの甲類焼酎を氷は入れずに,冷やしたホッピーで割って飲みます。割ったものもホッピーといいますが,この場合,俗に焼酎を「なか」,ホッピーを「そと」とよびます。飲食店では足りなくなったほうだけを個別に注文でき,合理的で財布に優しい庶民のお酒(というか飲み方)ということができます。他のお酒に比べると高価だったビールの代用品としての役割だけではなく,酔い覚めが良いということもあって,これまで戦後のある時期と団塊の世代が中心になった時期の,二度のブームがありました。2000年以降,ホッピーはビールに比べて健康面で利点が多いという認識が広がり,現在またブームになっています。

『お酒を120%楽しむ!』より
(画像=『お酒を120%楽しむ!』より)
お酒を120%楽しむ!
田村 隆明
1952年秋田県生まれ。1974年北里大学衛生学部卒。1976年香川大学大学院農学研究科修了(農学修士)。医学博士(慶應義塾大学)。慶應大学医学部助手、フランスストラスブール第一大学博士研究員、基礎生物学研究所助手、埼玉医科大学助教授などを経て、1993年から2017年まで千葉大学理学部教授。専門は分子生物学、遺伝子科学、遺伝子工学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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